アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
主の威厳
-
午前中は図書館に行って魔法技術を学び、午後はカロエがアフタヌーンティーに誘ってくれたのでそれに参加し、夕刻訓練場でアデアを呼んだ。
「ちょっと試したいことがあって」
「おうおう。このオレ様に感謝しやがれ」
「はいはい、ありがとう。それでこれなんだけど……」
「扱い雑になってねーか?」
図書館で見た魔法を実践しようと、アデアに細かく説明しながら魔法を発動していると、凛としたよく通る声が聞こえた。
「ここにいたのか」
はて、探されるような約束はしていないけれど。
振り返るとリハル様がいた。
任務で多忙かラクス様の傍から離れないこの邸の主は、爽やかな笑みを浮かべたまま訓練場の入口にいた。
「リ、リハル様っ!」
「実はリアスに頼まれてな」
「な、何をですか?」
「スアムの訓練を一日だけ頼まれてくれないか、って」
確かリハル様の訓練は、リアス様の訓練の方がマシだと思うほどのスパルタではなかっただろうか。
引き攣った顔のまま固まっていると、リハル様が訓練場へと入ってきた。
「可愛い誕生日プレゼントだろう?こんなお願い久しぶりだ」
気分の高揚と共にリハル様の魔力がザワリと動いた気がした。
気になるか気にならないかの微妙な気配だ。一応すぐに対応できるように構えておくとリハル様の眼光がスっと冷たく光った。
「叔父様が見込むだけはあるようだな」
不敵に笑ったリハル様が前触れなく魔法の発動をしてみせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 177