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ならず者
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「ははー、驚いただろう?こーんなところがあるなんて」
「はい。全く気づきませんでした」
青いマフラーがひらりと揺れて綺麗な青い瞳が僕を見た。
「あの……ピアさんはリアス様の使い魔ですか?」
「そうだよ?」
「トルン様はやはり気難しいですか?なんだか僕嫌われているようで……」
「あはは。トルンに気に入られてる奴なんてリアス以外にいないよ。リアス以外は全員嫌い。好かれる方が面倒って思った方がいいよ」
「はあ……そうですか」
「まあ、君はリアスに気に入られてるようだから自然とトルンの嫌いに拍車がかかっているんだろうけど。リアスに何かがなければ基本トルンは怒らないよ。触ったって、それはリアスを助けるためだとちゃんと理由があれば力を振るわれることもない。リアスの安全第一。それだけは絶対に変わらない。美しい兄弟愛だね」
「そうですね」
暗がりに光が差して、出口だとわかる。
階段を登って外へ出ると綺麗な水路とプールが目の前にある。
「プール?」
「その昔、この御屋敷はとある貴族のものでした」
「は、はあ……」
「海の近くに住む貴族。自ずとわかるが海魚系の貴族だな。そんな貴族がとある大貴族の悪魔の屋敷にスパイを忍び込ませました。けれどすぐにスパイと気付いた悪魔はスパイの目的を知るべく少し泳がせました」
水路に近づくと透き通った綺麗な水で、触ってみるとベタベタしないので海水ではない。
「そのスパイは嫌々スパイをさせられていて、本当に悪いのはこの豪邸に閉じこもって犯行は他人任せのロクでもない貴族。スパイで潜り込んだ奴の身の安全と引き換えにその貴族を吊るしあげる約束をした悪魔達は…………」
「ピア。人の話をべらべらと話すな」
「あれ?久しぶりグレン」
「何故ここにいる?」
「こちらのスアムくんが地下で迷子になって秘密の部屋にたどり着いてしまったので、オレの御主人様の命令で出口まで御案内差し上げたんですよー」
「ああ、スアム……」
グレン様が苦い顔をした後、美しく活けられた花の後ろから、シュガープリンスことサクア様が現れた。
「スアム。やはり運命だね。きっと赤い糸で結ばれている」
そっと淡いピンク色の花を一輪渡され指に口付けをされた。
甘く蕩けるような視線に、妖艶な空気。吸い込まれそうな雰囲気ではあるが、ペちっとフローラ様にサクア様は頭を叩かれた。
「父上……」
「諦めが悪いんだから。スアムはカメリア様の恋人なの。下手に手出しして泥沼化になんてしないで」
「でも、スアムはこんなにも愛らしい。今まで会った子よりもずっと魅力的だ」
「………………カロニカ。やっぱりサクアに婚約者をつけた方がいいかな?」
「それが一番無難だろう」
「だよねえ…………」
次々と現れる人物達に驚く。
「グレン一家の団欒中だったか。じゃあ、スアム。行こうか。本当はここまでにしようかと思ったんだけど、このままじゃリアスに怒られそう」
スっと肩を引かれ、瞬時に景色が変わる。
「うっわわわっ」
ドサッと落っこちたが痛くはない。
下敷きにしたものはなにか、慌てて起き上がるが、スっと背中と腰に腕を回され、抱きしめられた。
「ピア、どういうことだ?」
「うん?宛(さなが)ら狼からお姫様を守ったって所かな。詳しくはスアムに聞くといいよ。感謝される覚えはあるけど怒られる覚えはない。オレも愛しのハニーが待ってるから。じゃ」
ポンと消えたピアさんの言葉にカメリア様は僕が話し始めるのを待っている。
「ええと……庭を散策していたら、リアス様とトルン様の部屋にたどり着いたらしくて、ピアさんが僕を出口まで送ったのはいいんですけど、そこにグレン様たちがいらっしゃって」
「ふうん?」
すんと嗅がれ、ビクリと体を引く。
「………………。」
素早く手を取られ、水魔法で洗われた。そして持っていたお花は燃やされた。
「サクアがいたな?」
「はい。なのでピアさんがカメリア様の元へ僕を送ってくれて……」
「気が効くところはあの双子を近くで見てきた故のスキルだな。あとで礼でも入れておくか」
どさりとベッドに寝かされ、カメリア様が間近で見下ろしてきた。
「っなん……ですか?」
「…………本当に、放っておくとロクでもない事件に巻き込まれるなお前は」
ちゅっと優しく口付けが額に落ちる。
「そういえば、ここって昔は海魚系の貴族の御屋敷だったんですか?」
「ああ、フィリアの家だった屋敷だな」
「フィリア様の…………って、え?スパイってフィリア様だったんですか?」
「ん?ああ。そうだな。まあ、あの時のカーペンタリア家は面白いくらいに戦略に嵌められまくって見てるこっちが腹抱えるくらいだったな」
「そ、そんなに悪かったんですか?」
「海魚系からしても傷を負ってでも出し切りたい膿だったろう」
「へええ……」
その中で不本意でもスパイをやっていた、なんてかなり辛かっただろうに。
グレン様と会って幸せになった。なんだか聞いたこっちの心も幸せ色になる気がする。
「はあ。お前は本当に頭がお花畑だな」
「なっ!!」
久々に馬鹿にされてカチンとくる。
「どういう意味ですか」
「そのままの意味だ」
冷えた視線が無遠慮に突き刺さるがこちらも負けずに睨み返す。
カメリア様が体を起こすと、また溜め息をついて僕の髪に指を絡めた。
「お前の将来の夫が目の前にいて尚且つ組み敷いているのにも関わらず、変な虫にマーキングされるわ御伽噺みたいに甘ったるい話に浮かれるわ…………あー、本当に…………頭から花が溢れるくらいに脳みそが入ってねぇなぁ」
具体的に説明されて、ますますカチンとくる。
「可愛い人妻と二人っきりで話し合ってお顔が緩んでるところに愛しの僕がやってきてさぞかし嬉しいことでしょうねー。組み敷かれても意識できなかったのはカメリア様の色気がそれまでってことじゃないですかぁ?」
カッとカメリア様の目が見開かれて、綺麗な赤い瞳が差し込む月の光で明るく花が咲いたように見えた。
しかし、取り巻く空気は真逆で、花を枯らせる勢いの禍々しい気だ。
「よくも……このオレにそんな口が利けるな」
ガッと口を捕まれ、ベッドに押さえつけられる。
「っ!!いっ……」
痛い。頬を指で押されているから、内頬が歯に当たって痛い。
涙目でカメリア様を見ると、本気でお怒りのご様子。止める術をまだ僕は知らない。
「ラクスといたのがそんなに気に食わないか?二人で何してたか教えてやろうか?」
ぐっと股間を押され、びくりと体がはねた。
嘘だ。いくらラクス様が可愛いといえど人妻だしリハル様が許すわけない。
サラサラといやらしい手つきで内腿を揉まれ、首筋に唇が触れる。
「んっ……んんーんっ」
手を離してくれないから相変わらず内頬が痛い。
ひゅっと小さく生気を吸われれば、快感の波が首元から広がっていく。
内腿を撫でる手も先程より感じてしまうし、カメリア様の存在感ですら圧倒的で鼓動が早鐘を打つ。
「っん…………んんっ」
「そんなに甘えるような声を出してどうした?オレの色気じゃ揺るがないんじゃないのか?」
つうっと首筋を舐められ、ぞくぞくと背中に電流が通ったように体が震える。
内腿を撫でていた手が上ってきて、胸を揉んでくる。女じゃないから柔らかくもないし、肉も乗っていない。けれど突起だけはカメリア様に触れられれば反応してぴんと尖って主張してくる。
「体は正直だな」
きゅっと突起を摘まれるとビクッと背中が弓のようにしなる。
「んーっ!!ふぅうっ」
容赦なく突起を弄り回され、すっかり僕の股間が硬く盛り上がってしまった。
「はあ……この淫乱が」
「っ!!!」
その言い草はあまりにも酷くはないか?
カメリア様以外に体を許す気は無いし、他の誰にも許したことは無い。こんなにも操を立てているというのにその言い草はあんまりだ。
ポロポロと大粒の涙が目尻を伝い、顬を通ってシーツに染みを作る。
「どうした?泣くほど嬉しいか?」
正反対だ馬鹿野郎っ、といいたいが体はいうこときかないし、口はカメリア様に塞がれてしまっている。
股間を揉まれ、前をはだけさせられて目に止まった尖った突起をカメリア様に丁寧に舐られる。
「っんーっん!!ふっんーっ!!!」
刺激が強くて、頭がぼうっとしてきた。すると、突起をカリッと歯で引っ掛けられびくんと体が跳ねた。
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