アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
試験
-
夏休みも終わり、学校が始まると直ぐに試験期間がやってきた。
ハンプディスト学園で行われる試験結果は張り出しされるので個人の名誉に関わる。
さすがに学年別になっているからそこは安心。年下に抜かされるなどの心配はしなくていい。
試験勉強の為に図書室へやってくる。よくよく使うので、どこにどんな本が置いてあるのか把握してあるのでお目当ての本は直ぐに見つけられる。はずなのだが………。
「…………あれ?」
いつもならあるはずの本がない。周辺を探すがなかったので、誰か借りているのだろう。肩を落として別の本を手に取り、テーブルへとやってくると目当ての本を持った学生がいた。
「あっ……」
思いの外大きな声が出てしまい、咄嗟に口を手で塞ぐ。
ジロリと見られたが、直ぐにノートに視線が戻ったので息をつく。
別のところで勉強しようと思い、テーブルが沢山並んだ区域ではなく、庭園が見える1人用のテーブルへとやってきた。
ここなら、静かだし、他の人の気配はなく、庭園が窓から見えるので落ち着ける。ただ、人目がつかない所なので、ここであったことは自己責任だ。
ならば、と薄く結界を張っておく。誰かがやってくれば直ぐに気づけるように。
黙々と試験勉強を開始した。
暫くして、バサリと羽の音が聞こえ、顔を上げると窓の内側に鷹がいた。
「っ!?!?」
『やけに新鮮な驚き方をする小僧じゃの』
「っ!?誰かの………使い魔………?」
『左様。よく分かったのぅ?』
「魔力の流れが………少し不自然だったので」
一個体としてなら、魔力が常に己の体の中を巡っているが、使い魔は使い魔自身の魔力に契約者の魔力が少し入り交じるようになる。
鮮明にその魔力を辿れば契約者が分かるものだが、それは高等技術に値するので今の自分では魔力を探知するので精一杯だ。
『儂の主人はこの世で一番偉いお方じゃ』
「魔王様ですか?」
『左様。あやつに一番最初に召喚され、一番最初に使い魔になったのがこの儂じゃ』
「一番最初って…今は違うんですか?」
『違う訳あるかい。この馬鹿者が』
「じゃあ、なんで一番最初?」
『魔王は五匹の使い魔と契約しとるんじゃ。そんなことも知らんのか馬鹿者』
なんか馬鹿者馬鹿者いわれるようになってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 177