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子供じゃない
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生徒たちが出している出店は定番のものがほとんどで、お祭りという感じがする。それでもやっぱり庶民のお祭りと貴族のお祭りとではだいぶレベルが違うのだが。
もぐもぐとりんご飴を食べていると、カメリア様に呼ばれた気がした。
振り返ってみる。いない。上を仰いでみる。いない。
止まっていたからか、カロエに呼ばれた。
気のせいだったか。でもやっぱり気になる。
カメリア様は結構寂しがり屋なのだ。
「カロエ、カメリア様のところ行ってくる」
「そっか。わかったよ。今日はこのまま解散できるから、大丈夫だよっ」
「うん。ありがとう」
たくさんのお土産を持って、カメリア様がいるような気がする場所へと向かう。けれど見当たらない。
「どこいったんだろ?帰っちゃったのかな?」
「スアム」
カメリア様の声が聞こえて振り返ると、口に何かを突っ込まれた。
「んぐううううっ!?」
「そのまま舐めろ」
言われた通り、舐めると甘みが口に広がる。
「んー!!…んっ…っふ…」
今度はズボッと抜かれ、息がしやすくなる。
「っぷは…っはぁ……美味しいですね!それ」
「チョコバナナ。まあ他にも使い道はあるがここら辺で勘弁してやろう」
「へえ?食べ物なのに?あっ、僕もお土産たくさん買ったのでタキアさん達と一緒に食べましょう!」
「何でタキアと……。達??」
「アデアも一緒に食べようと思って」
「………オレが全部食べてやる」
「いくらなんでも全部食べれないですよー。行きましょう」
「どこに?」
「え?岩山ですけど……ダメ…ですか?」
「あ、いや…大丈夫だが………」
「じゃあ、レッツゴー」
「オレが魔法使うのか…」
文句を言いつつも移動魔法を使って岩山へやってきた。
庭園の景色が綺麗だからそこで食べようと向かおうとしたら、邸から黒髪ウェービーの美女がバスローブだけの姿で玄関までやってきた。
「カメリア!!会いたかったわ」
「っっっ!!」
カメリア様の腕に垂れかかるように抱き着いた美女を凝視する。
誰だろうか。初めて見る人だ。スタイル抜群で指の先まで色気が出ていて、鼻を掠めるのはファルムだ。
自然と顔がムスッとしてしまう。
「会うも何も用がないだろうが」
「シャワー借りたわ。少しベッドでお話しましょ?」
さりげなく視線をこちらに向けられ、敵意しか伝わってこない。
「お前が寝るためのベッドはここにはない。さっさと帰れ」
「つれないわね。子供のお守りなんて性にあわないことしてなんになるの?」
子供?子供と言ったのか?僕が?そりゃ僕は子供だけれども。そこまで幼い訳でもない。
「まあ…子供といえば子供だし。子供じゃないといえば子供じゃないな」
「…………。先行ってます」
「待てよ」
ぐっと手を引かれたので反射的に弾いてしまった。
「っ、すいませんっ…………」
逃げるように庭へ向かった。
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