アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
到着
-
ジッとピアさんを見る。前回会った時は陽気な案内人的風でそういう人物なのかと思ったけれど、
今はだいぶ違う。
どことなくリアス様と似てる。
凛とした佇まいもそうだけれど、所作の一つ一つが本当にそっくりだ。
「ちょっと、僕の旦那様に惚れないでよねっ」
え、何故そうなる?
「ルカ、スアムが困ってるだろ」
「だって。ピアを見つめていいのは僕だけだもん」
「本当お前はオレのこととなると馬鹿になる。スアムの心をちゃんと読め」
えっ、わざわざ読みにくるのか。別にピアさんに惚れたわけじゃなくて、観察を……。
「僕のピアに魅力がないってこと!?ピアは世界で一番カッコイイもん!!」
忘れていた。ルカさんはトルン様の使い魔だ。ピアさんがリアス様に似るように、ルカさんもトルン様に似ているのだろう。特に面倒なところが。
「あー、もう、埒が開かないな。行くぞ。ルカもそんなことで怒るな」
「怒ってないもん」
僕を片腕に抱き、ピアさんの腕に抱きつくルカさんは本当に心底ピアさんが好きなのか嬉しそうに笑顔になる。
カメリア様の研究室基(もとい)カメリア教授の教室に着くと、ぴしっとピアさんとルカさんが緊張するのが伝わった。
カメリア様はそんなに怖い人物ではないのに。
コンコンとピアさんがノックをすれば内側からカメリア様の声が聞こえた。
「失礼します」
ガチャリとドアを開けばカメリア様が机に座って書類を片している最中だった。
「彼が貴方様の元に行きたがっていたようなので連れて参りました」
毅然と言うピアさんの後ろに隠れるようにしてルカさんが立つ。
「そこに置いていけ」
横のソファーをカメリア様は指差した。ルカさんはそっと僕をソファーに置いて、ピアさんの服を掴む。
「それでは失礼いたします」
お辞儀をしたピアさんとルカさんはそそくさと部屋から出ていった。
「まったく、お前はいつも変なことに巻き込まれるな」
僕の隣へ移動してきたカメリア様が僕を膝の上に乗せた。
僕だってなんで分かるのだろうか。
「逆になんで分からないと思ったんだ?」
ん?と甘い視線で見られ、猛烈に隠れたくなった。
頭を撫でられ、背中を撫でられ、お腹を触られ、ビクッと反応して手から逃げる。
「声が聞こえないな」
ちゅっと口にキスされて、ぼふっと体が元に戻った。一日戻れないと思っていたので本当に驚いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
135 / 177