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告白
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「マフセフ様に気に入られたのは………そうですね……初等部二、三年くらいでした。レスファイア邸でステムと遊んでたらオレが一人迷子になりまして。そんな最中たどり着いたのがマフセフ様のお気に入りの空間といいますか…憩いの場ですね。最初は追い払おうとしてたみたいですけど、オレを見て招いてくれました」
キュッと眉間にシワを寄せたイクルを抱き寄せると小刻みに震えていた。
「手を引かれるまま、近くの離れに連れ込まれて……まぁ、触られるといいますか。それだけなんですけどね。その時は何がなんだか分からなくて。暫くして度々呼び出されて、毎度触られて、何をしているのか聞いてみたら、魔力がちゃんと巡っているのか確認していると。実質、魔力の巡りなんて気配で分かるんですよ。まだ、リアス様の授業を受け始めたばかりだから知識もなくて、そうなんだくらいにしか思わなくて、知識もある程度ついてきた頃、さすがに怪しくって、やめてくださいと申し出たら、今度は………気絶させられて……」
「えっ……」
「起きたら……全裸で……体のあちこちには……跡が残ってるし………」
声が震えていて、ぽたぽたとシーツに涙の跡ができる。
「ステムにはっ、ステムには……っ、しっ、知られったくっ………ないっ………」
「えっと………マフセフ様に抱かれてしまったと?」
「ん………」
「マフセフ様は何か言ってなかった?」
「もうっ、オレのっものだと………でもっ……全然っ好きでもっないのにっ……ひっく………」
「…………で、今は?なにかされてるの?」
「最近は……なにも……でも、少しでもいつもと違う香りまとってると………力でも…敵わない……魔力も魔法も全然……逃げようとすれば捕まって…もっと酷い……」
「酷い?…」
「暴力振られたり……首絞められながらされたり」
「つ、つまり……SMプレイと?」
こんなところで娼館ステラディアでの知識が役に立つなど思わなかった。
「似たような…………ものかと………でも、同意じゃないですよ……オレだって吐くほど嫌なんですから……でもそれすら笑ってやめてくれない…」
さぁっとイクルの顔色が悪くなったのを見て、慌てて桶を浴室から魔法ですっ飛ばして持ってきた。
「呼び出しを断るのは?」
「次が…怖い。次、道端でも会ったとき何されるのか分からない……。ステムといても問答無用で連れて行かれるし………。マフセフ様は非常に気分屋で、なにもかもその時の気分で決まります………。それを害されたとき……何をしでかすのか………」
「…………うん。ステムには言わないでおく。でも…………ラクス様たちには相談してもいいかな?」
「…………そう…ですね。でも父と母の耳に入るのは少し………」
「うん。じゃあ、ラクス様とリハル様とリアス様とアオル様でどうかな?四人」
「それなら……いいです」
「うん。じゃあ、おやすみイクル」
「えっ……」
「休んでいいよ。夜遅かったみたいだから」
「でも、学校………」
「体調不良、でいいんじゃないかなぁ」
突然ガチャリと部屋のドアが開いて驚いた。
「ダメだ。学校へ行け」
「リアス様…」
「イクル、ステムの前で笑えるか?」
問われて、ビクリと固まったイクルだが、すぐにキリッとした面持ちになった。
「……はいっ!大丈夫です!」
「よし。スアムは朝食後、王城第一部隊駐屯地に来ること、報告が終わり次第学校だ」
「…………はい」
体力も精神力も疲弊しているはずなのに、学校とはリアス様は一体何を考えているのだろう。
「スアム様、ありがとうございました。紅茶ごちそうさまです」
「あ、うん」
「では朝食でまた」
リアス様とともにイクルが部屋を出ていったあと、すぐにカメリア様が部屋に入ってきた。
「不服そうな顔だな?」
「イクルは休ませるべきだと思いますけど」
「魔界において学園は安全領域だ」
「そうなんですか?」
「少なくとも外部からはな。天界から攻めてきた奴らが学園を攻めればこれからの魔界を担う新芽を一掃できるだろう?そうすれば次期に天界の時代が来る。そうはならないように警備は万全だ。こと、ハンプディスト学園においては魔王の御膳だ。下手なことはできない」
「内部からは?」
「そこは周囲の目と監視ゴーレムの証拠押収だな」
「結局危なくないですか?」
「マフセフはよほどのことがない限り学園に来ない」
「わかりませんよ?」
「諦めろ。それに、ステムが付いてるんだ。下手なことは起きないだろ」
「?、やけにステムに期待しますね?」
「さすがはクレスの孫といったところだ筋がいい。アホ梟よりはな。そもそも立派な悪魔と端た使い魔を比べること自体間違っているか……」
アホ梟と言われて黙っていられなかったのか、アデアが出てきて抗議をしてきたが、カメリア様が指をパチンと鳴らすと消えてしまった。
例のごとくタキアさんのところだろう。
「もし、僕が誰かに襲われたらどうします?」
「処す」
「魔王でも?」
「処す。同然だろう?オレのものに触れたんだ。そいつが消えようとも許す気は毛頭ない。そもそもそんなことは起きないがな」
「わかりませんよ???」
「なんのための腕輪だと思ってるんだ」
「………確かに」
スッスッと魔法で天蓋カーテンのリボンを解いていくカメリア様を見、心許なさげに布団を引き寄せる。
カーテンが降りればほとほと暗い。
「カメリア様?」
「子供がいるんじゃ大人の時間が味わえないからな」
「!?…な、なにを?…僕は朝食を食べたら王城第一部隊のところへ行かないといけないんですよ?だからカメリア様も朝食をっ」
布団を引き剥がされ、カメリア様が僕を押し倒し、見下ろしてきた。
「そんな狼の群れに行くんだったら尚更だな?」
「っ!!!」
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