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親戚
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どの方も黒髪に澄んだ赤い目。どことなくカメリア様に似ている気がする。
「お久しぶりですね、御祖父様。それと、叔父様方も」
「下賤な血の庶民を婚約者とは何を考えている?」
「パーティーに来てまで説教ですか。そういう話なら家でいくらでもできましょう?」
「貴様が家に来ないんだろうが」
「如何せんこちらも多忙な身なのでね」
「ならばこの場でも致し方ないだろう。率直に言うが、私は此奴を婚約者とは認めん」
「……………何故?」
「庶民の下賤な血が混ざるなどと許せることではない」
「それは、叔父様方も同じ意見で?」
頷く叔父様方。
「………私がミロ家を退くと言ったら?」
「それはならん」
「なら、認めていただく他ないですね。少しはベストルドを見習ったらどうですか?」
「ふん。永らく仕えてきたミロ家とぽっと出のベストルド家では比べるまでもないだろう」
歴史が語る品格というものか。
「誰かなんと言おうと、私がこの子以外を迎える気がないことは承知していただきたいですね。それにこの子は、レスファイアのお墨付きです」
ぐいっと抱き寄せられて、くるりと一回転させられた。いきなりすぎて心臓がバクバクしている。
「北の番人にはこれ以上ない嫁でしょう?それでは失礼、御祖父様、叔父様方」
一礼したカメリア様に倣って一礼し、去った。
少し振り返ってみると、御祖父様と目が合い、ものすごく嫌なものを見るような目をされ背筋がヒヤッとした。
「カメリア様……」
「オレはお前を離す気はない」
「僕も離れる気はないですよ。心配し過ぎて僕の方が疲弊しそうです」
「心配?オレの?」
「そうですよ。ちゃんと見てないと大雑把なんですから」
「大雑把の何が悪い?」
「時と場合によっては相手に失礼です」
「オレが頭を下げるのは限られた相手しかいない。よって、そこだけ踏まえていればあとは構わないだろ?」
「塵も積もれば山となる。弱くても束になれば勢力が大きくなるのもわかりますよね?」
「…………これからはお前を守るために周りに目を配らないとな」
「っ!ぼ、僕の為とかいいんです」
「よくない」
真面目な顔で言われて、ぶわっと顔が熱くなる。
「もう一人くらいお前に付けないとな」
「えっ」
「まぁ、楽しみにしてろ」
手の甲にキスをされ、まともにカメリア様を見れない。
「わ、わかりました……」
満足そうに笑みを浮かべたカメリア様は楽しそうに歩を進めた。
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