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夕刻
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談笑や立食をしているうちに、舞踏会も終わり、帰りの馬車に乗り込むと、いつもの如く黙ったままのカメリア様が窓の外を見ていた。
今日は沢山の人と話した。緊張もしたし、焦りもしたけど、なんとか形になった気がする。
今日は頑張った。
カメリア様の手を取って、僕の頭の上に乗せる。
「…………なんだ?」
「僕頑張りました」
フッと笑ったカメリア様が僕の頭を軽く撫でて、ぐいっと引き寄せて抱き込めてくれた。
「オレにもご褒美ないのか?」
「カメリア様はいつも通りだったでしょう?」
「嫌いな礼儀正しくを振る舞ったんだぞ。ご褒美ものだろう?」
体に染み付く程に振る舞い慣れているというのに。
手を伸ばしてカメリア様の頭を撫でる。
久々に触れた気がする。サラリと指の間を通る髪が少しくすぐったい。
「よく、がんばりました」
「足りない」
「ええ!?」
これ以上強く撫でたら髪がぐしゃぐしゃになってしまうし、改めて今日のカメリア様は公爵様だ。何をするにも無礼になりそうだ。
「こっちだろ」
ちゅっと口が塞がり、逃げようとするが、相変わらず捕まってしまう。
「んっ、ちょっ……んんっ!!……」
苦しくなる前に離され、整う前に塞がれる。
だんだん息が上がってきて、体が熱くなる。
「待っ、て…………」
「待ってどうする?」
何も思いつかなくて泣きたくなる。
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