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中学の俺とあなた 影山side
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嫌われて、敵だと思われてしまった。
好きな人に……
俺はどうすればいい?
分からない。
どうすればいいのか全然分からないくせに、それなのにあなたに近付きたいと思ってしまう自分がいる。
これ以上近付いたらもっと嫌われてしまうかもしれないのに、この想いが消せなくて。
本当にバカな奴だと思う……
朝の体育館。
彼の姿が瞳に映り、無意識に動いてしまうバカな足。
「ホントなんなんだよ影山……ムカつく……」
ため息をつくように低い声で呟かれた言葉が耳に届いて、一瞬自分の顔が歪んでしまったことに気付いて、慌てて頬を両手で解す。
ムカつくよな……だって俺、敵だもんな。
ムカつかれても、この気持ちを消すことが出来ないからどうしようもない。
『及川さんは嫌ってても影山は好きなんだろ?
じゃあ好きになってもらえるように、アタックし続けるしかねーだろ?』
『好きになってもらえるように、頑張ってみれば?』
金田一と国見の言葉を思い出す。
この二人も応援してくれてるんだ、もう少し頑張ってみようと思った。
「ムカついてもいーので、サーブ教えてください」
「は? あっ、影山!
嫌だよバーカ! べぇーーっ!」
「いーじゃないですかちょっとぐらい!」
「そのちょっとが嫌なの! なんで俺がお前なんかに教えないとならないのさ!」
やっぱりそーだよな……
そう言われると分かっていたとしても、こんなに辛いなんて。
それでもどうしても諦められない……
「あの、あのね影山くん……
この手紙……」
あれから数日後の昼休み──
俺は同じクラスの女子、末岡さんに人気のない所に呼び出された。
末岡さんは真っ赤な顔をして、目を泳がせながらピンクの封筒をこちらに差し出してきた。
「手紙? これがどうかしたのか?」
「影山くんって及川先輩と同じバレー部だよね?」
「……うん」
「この手紙、及川先輩に渡してほしいの!」
「えっ! 及川さんに……!」
この手紙……もしかして
すごく、嫌な予感がする……
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