アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
記憶
-
そうだ。思い出した。
勤務地からは少し遠く自宅には近い場所にいいバーがある。そう同級生の井原に言われちょうど嫌なこともあり、疲れてはいたが足を向けてみたのであった。
店内で見かけたのは件の男。
店の扉を開けた時から目を奪われる。
男とは思えぬ程に華奢であった。
作業をこなす度にふわふわと揺れる猫っ毛は白に近い金髪でバーテンの制服と相対的である。
店内のライトに照らされ、暑いのだろう。
こめかみに薄らと汗が浮かび、ふとそのバーテンの丸く大きな瞳が俺の目を捉える──と、ふわりと微笑み、
「どうぞこちらへおかけください」
───軽くどこか嬉しそうな声だった。
示されたカウンター席へ腰掛け、何がおすすめか、と聞く。
俺は酒には詳しくないのだ。
なにか色々と説明されたが、あまり良く分からず
とりあえず飲みやすいものを。
と頼む。
また男は弾んだ声で、はい!と笑顔で答え、酒を作り出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 6