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愛の確かめ方21
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隼介サイド
最近めぐみに友達が出来たらしい。
めぐみが嬉しそうに話してくれた。
話によると、めぐみと同い年で黒髪にメガネ。
かっこいいというよりは綺麗な顔立ち…
一瞬で瀬梛君だと分かった。
今日は雨が降っていて、
初めて会った彼は頭から水でも被ったように濡れていて
僕等の部屋の前。
俯いて立っていた。
その時は、驚きより関心が勝っていた。
自分が濡れるのも構わず彼を抱きしめためぐみの隣で、僕はまじまじと瀬梛君を見つめていた。
濡れた黒髪から雫が滴って、頬を流れていた。
雨か、涙か、判別することはできなかった。
『はじめまして。』
挨拶すると、瀬梛君が小さく会釈した。
消えそうな程小さく
『はじめまして…瀬梛です』
そう挨拶した。
『取り敢えず、中へどうぞ。』
僕は何も聞かず、彼を部屋へ招き入れた。
言わずもがな、何があったかは大方分かったからね。
『外は寒かっただろう?めぐみ、お風呂に案内したら?』
安心させるように、微笑むと、コクリ。瀬梛君が頷いた。
それが、今出来る精一杯の返事なんだろうなと思いながら、二人を見送った。
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