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「いってきます。」
そう母さんに言って俺たちは家を出た。
特にいつもと変わらない朝。
俺より頭一つ分くらい小さい優が斜め前を歩いている。
駅まで一緒に向かうが、特に会話はない。
大きくなってからはこれが普通だから気にしたことはない。
いつものように電車に乗る。が、今日はやけに混んでいた。いつもなら座れる電車なのに今日は座れない。今日は立って乗るしかなかった。
押されに押されまくって優と向かい合う状態で乗ることになってしまった。…気まずい。目のやり場に困る。
突然優にネクタイを引っ張られ、優を見ると手招きをしていたので何か言いたいのかなと思い、少し顔を近づけた。
「ん?」
「……お前さ、」
そう言うと優は黙ってしまった。優の顔を見るとふてくされているような顔をしていた。そして、俺の顔を睨むように見てきた。
「何?」
何かしたかなと思い記憶を辿るが全く心当たりがない。
「お前さ……そんなに身長でかかったっけ…?」
そう言った瞬間、電車が大きく揺れ、バランスを崩してしまった。
やばい、このままじゃ優にぶつかる…そう思い反射的に目を瞑ってしまった。
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