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「ッッッッァ゛!!……にげ、…ろ!!」
痛い、でも痛いのは俺だけで十分だ。
辛い……辛いのなんて、いつものことだ。
寂しい…………寂しいくらい1人でどうにかなる。
名前も知らない男性に、怪我を負わせたくない。俺のことを見ないで欲しい。早く、早く安全なところまで逃げてほしい。
あんな綺麗なやつ、この世にほんとにいるもんなんだな。
きちんと逃げられただろうか。俺が言える立場じゃないけど、何故か、一瞬見えたあの瞳が、男性の姿が頭から離れない。男性は、俺を助けようとしてくれたのか。
助けなんか……必要ない、?
助けなんて求めても、誰も応えてくれないから。
小さい時からそうだった。
でも、もういいかな。
思うだけなら、縋ってみてもいいだろうか。
やっぱり俺は、弱いのか…
……あの時と同じように……俺を一人にしないで。
誰か……………願わくば、名前も知らないあの瞳の彼。
「……………助けて…。」
「ん。助けるよ……俺が」
なんで、
なんでいるんだよ……逃げろって言っただろ…。?
「……ホントに…ばかじゃねーの…」
目から零れた水滴は、何を表しているのだろうか…。
母さん……俺、ちゃんと泣けるみたいだ。
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