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喧嘩は好きだ。
余計なことを考える必要がない。
痛いのも好きではないけど苦痛なわけじゃない。
自慢にはならないけど、喧嘩はかなり強いと思う。生まれながらの女顔を隠す為には強くなるしかなかった。おかげで街では負け無しにまでなった。
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「結宇ー。俺もう帰んなきゃ…(笑)」
「あ?いま何時?」
「23時。送ってやれないけど帰り平気かぁ?」
「ばーか。何歳だと思ってんだよ。俺だって立派な男だっつの。」
「そーだったな(笑)じゃあな!」
「おぅ。じゃあな。」
弥邦はそう言って犬みたいな笑顔で人工的な街のなかに消えていく。幸せそうに見えるのは、多分これから会うのがあの人だからだろう。
♪~♪~♪
ッッ!
……………やっぱり今日は最悪だ。
本当に、本当に久しぶりの親父からのLINE。それはせっかく喧嘩で空っぽにした頭にもきちんと分かる。
『一週間休みになったから家に帰る。』
『お前はどうする。ホテルに泊まるか、友人にご厄介になるのか。ホテルなら金は出してやる。』
家に帰る選択はないらしい。まぁ、帰る気も失せたけど。
『金はいらない。』
さぁ、どうしよう。
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