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「なぁ!類!今日、SAKULAの龍が珍しく来てるらしいぜ!」
午前の授業が終わった昼休み。俺の席に駆け寄って来た男が唐突にそう言った。
男の名前は、谷野 勇人(ヤノ ハヤト)。転校してきた俺に真っ先に声を掛けてくれたのが、この勇人だ。
明るく人当たりもよく、クラスでの人気も高い。そのおかげか、俺も少しはクラスに馴染めたような気がする。
「SAKULAの龍?」
有り得ない単語に俺は一瞬 自分の耳を疑った。SAKULAはいつもフードをかぶっていて、周りに顔はばれていないはずだ。例え この高校に龍がいたとしても、SAKULAのメンバーじゃない限りわからないはずなのに...
「そうそう!SAKULAの龍だよ!何色かまではわかんねぇけど!!ソイツの胸に桜の花びらがあるのを見たって奴がいるんだよ!」
興奮気味に話す勇人に、俺は「へぇ。」っと適当に相槌を返す。
桜の花びら...。それは、SAKULAのメンバーだけが持つ、SAKULAの印。ある者は腕に、ある者は額に その花びらを体に刻んでいる。他の者が桜の花びらをその身にいれるのは絶対的な禁忌だ。何故なら それは、SAKULAに喧嘩を売ったようなものだから...。
胸に花びら...。思い当たるのはアイツだけ。
「そうか...此処にいたんだな。」
「ん?類、何か言ったか?」
ボソっと呟いた俺の独り言は、どうやら勇人には聞こえなかったみたいだ。俺は「いや、なんでもない」と澄ました顔で答えた。
「それでさ!折角だし、龍見に行こうぜ!」
そう言うや否や、勇人は返事を聞かずに俺を無理やり引っ張り駆け出した。
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