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side 羽鳥 悠 (Joker総長)
「今日も、入ってくれませんでしたねぇ。」
廊下を歩きながら、少し後ろにいる山下 武が銀縁フレームの眼鏡を人差し指で軽く押し上げながら呟く。
1週間ぶりぐらい学校に来た 龍。今 俺らは、その龍をJokerに勧誘してきた帰りだ。龍が学校に来る度にこうして誘っているのだが、中々いい返事が貰えない。
「弘ちゃんねぇ?...」
何故か口角を上げながら城山 來煌は笑う。間延びしたようなおちゃらけた話し方をするコイツは茶髪に耳にピアスを開け、女遊びが激しい典型的なチャラ男だ。
それにしても...たった5人しかいない龍がこの学校にいるなんて奇跡に近い。あの龍の”色”は何色なのだろうか。
SAKULAの龍にはそれぞれ固有の色が付けられている。紫、青、黄、緑、黒...。龍はそれぞれ腕にブレスレットをつけており、それを見なければどれがどの色なのか分からない。
「あ、そうそう。悠(ユウ)、1週間後に暴走がありますからね。それについての話も進めなくては。」
武がいつのまにか手に持っている資料をみながら俺に話し掛けてきた。
___暴走。Jokerで年に1回行われるメンバーのほんどが集まりバイクで走り回る交流会らしきもの。会自体はとても楽しく賑やかなものだが、ここ最近 俺ら幹部は参加していない。いや、できないのだ。
「......今回も、俺...ら、出れ...な...?」
たどたどしい言葉で佐藤 一が呟く。
その質問に答えるように、武が真剣な表情で眉間に皺を寄せた
「そうですね...。最近、闇蛇(ヤミヘビ)の動きが怪しいです。暴走の日は、学校にいるJokerのメンバーほとんどがいなくなります。私たちは此処にいた方がいいでしょう。」
闇蛇(ヤミヘビ)...。数ヶ月前にNo.1の座を争った暴走族だ。卑怯な手ばっか使う奴らで、俺らも凄く痛手をおった。
SAKULAほど絶対的な存在になれない俺らは、決して他の暴走族に弱みを見せられない。弱い、押せば崩せる、なんて相手に思われたらおわりだ。Jokerはもちろんのこと、Jokerが占めているこの高校も他の暴走族の侵入を許すわけには行かない。
「あ~!ごっめ〜ん!俺 教室に忘れ物しちゃったぁ。先行ってて♪」
重々しい空気の中、場にそぐわない明るい声をだして來煌(ライキ)はそういい、歩いてた方とは正反対に走り出した。
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