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「...それが、一ノ瀬くんの本心?」
静かな声色で話す木戸に、俺はハッと冷静さを取り戻す。
「いや、これは...っ。」
「なぁ~んだ。そっちの一ノ瀬くんの方が面白いじゃん!」
「...は?」
弁解しようとした俺を遮り にこにこしながら言った木戸に思わず変な声が漏れる。
「ふふっ。いつものつまんない作り笑顔より、そうやって思った事素直に言ってる一ノ瀬くんの方が私は好きだなぁ。」
笑顔でそう言う木戸に、俺は言葉を失った。
あんなに酷いことを言ったのに、何でコイツは怒らないんだ?
普通の人なら怒って当たり前の時に、コイツは楽しそうに笑っている。
それに、こっちの俺の方がいい、だなんて...
「ふっ...。変な奴。」
「あっ、笑ったっ!」
可笑しくて軽く笑うと木戸も笑う。
そして俺らは顔を見合わせ、笑いあった。
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その数ヵ月後。木戸がクラスに馴染み、俺は木戸と2人の時は素で話せるようになった頃。
ある時、当然______
「えーっと、急ですが木戸さんは昨日、引っ越されました。都合上みんなに挨拶は出来なかったけれど、木戸さん、とても楽しかったありがとう!って言っていたわよ」___
_____当然。なんの言葉もなく、木戸は俺の前から姿を消した。
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