アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
まだ、夏の残り香が微かに香る9月。夜中に、ふらふらと覚束無い足取りで、歩いていた。
____今日の出来事が全て夢だったらいいのに
ぼんやりと冴えない頭で考える。
ふと気づいて足を止めると自分の家の前。俺は、どうやってココまで帰ってきたのだろうか。
記憶があやふやでよく思い出せない。でも、どうしようもない喪失感と込み上げてくる悲しみに、嫌でも現実なんだと脳が言ってくる。
ガチャ......
「弘っ!!あんたはまたこんな時間まで遊び歩いて...っ!もうすぐ高校受験なのよ!?貴方には一番良いところにいって貰わないと、私たちの顔が立たないじゃない!!」
玄関のドアを開けた瞬間、怒鳴る親の声が頭を突き刺す。
遊び歩いて...?私たちの顔が立たない...?
ふざけるなよ...
腹の底からフツフツとどす黒い感情が湧き上がってくる。
普段なら、その感情を押さえ込んで「申し訳ありません。お母さん。」なんて、いい子を演じるところだが、
今の俺には、それを抑える気力も、リミッターもなかった。
「...ぅ、...ぃ」
「なによ?まさか、私に刃向かうの?子供の分際で。」
「...うるせぇんだよ、クソ婆が...ッ!俺はお前らの操り人形じゃねぇ!お前らの世間体も評判も俺に押し付けるな。お前なんか母親だと思ったことねぇんだよ!!」
1回も反抗した事なかった俺の、いい子キャラが崩れるなんて、もうどうでも良かった。
俺は、家の外に飛び出して、夜の街へと駆け出した_____
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
夜の街は、ネオンが煌びやかに輝いていた。
酔っ払いの声や、不良どうしが喧嘩する声。客引きの声や若い年齢のグループがはしゃぐ声。
「おい、そこの兄ちゃん。ちょっと俺らと遊ばねぇ?」
行くあてもなく歩いていると、突然後ろから声をかけられた。
振り向くと、そこには明らかにガラの悪い不良3人。にやにやと気持ち悪い顔をしながら、俺の方へと近づいてきた。
「俺ら今金欠なんだよねぇ。見たところ良いところの子供っぽいしさぁ。俺らにちょ〜っと分けてくんね?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 29