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「俺は...強くなんかねぇよ。」
少年を見ながら俺は弱々しくそう呟いた。
身長は160前半ぐらいだろうか。男にしては華奢なその体に幼さを感じるが、少年の雰囲気は落ち着いていて、大人のようにも見える。
月の灯りに照らされて、少年の髪がキラキラと金色に輝いて見えた。
少年の瞳が、俺を見つめる。俺の何もかもを見透かすようなその瞳に、惹きつけられた。少年が、薄い桜色の唇を開き、鈴のなるような...だが どこか威厳のある声で言った。
「なら、強くなればいい。」
「ちげぇよ...弱いのは心だ。...死にたいくせに怖いんだ...。情ねぇ。」
「そうか。ならば、生きろ。」
「......は?」
さも当然の如く、その少年は言った。
フッ...と、少年は笑いながら、俺の心を見透かして...
「死ぬのが怖いのならば生きろ。...生きて、自分の罪を償え。」
思わず乾いた笑いが漏れた。
確かに、その通りだ...。死んで逃げようだなんて、俺は馬鹿だ。
木戸が生きたいと思った命の分だけ死ぬほど足掻いてやろう。たとえ、地獄だったとしても。苦痛しかなかったとしても。
「...そうだな...。」
俺が呟いた時、目の前に出された細い手。
「君は捨てられた野良猫のようだ。危なっかしくて気が気じゃないよ。どうだい、俺と一緒に来ないか?伝説を作ろうじゃないか」__
_____危なっかしいのはどちらだ。
白く細い腕。女じゃないかと思うくらい華奢な体。
____だが、不思議と驚くほど力強く感じた。この人について行けば大丈夫だ...そう思わせてくれる雰囲気が少年にはあった。
「フッ...飼われてやるよ。飼い主。」
この少年に託そう。生きる意味を俺にくれたこの人を、俺は守れるほど強くなる。
「野良猫くん、君の名前は?」
「...一ノ瀬 弘。」
「そうか。では、弘...行こうか。SAKULAの始まりだ。」_____
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