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琉樹side
「……もういないかな…。」
さっき見た人は多分ここに来た。
僕の名前言ってたし…。
僕の部屋は地下3階の突き当たりにあるから、
もし鉢合わせなんてことがあったら、
逃げることは不可能だ。
ーーーーーー
10分ほど待ってみたが、足音一つしない。
本当に誰もいないようだ。
もう帰ったんだろう。
「ふぅ…。」
琉樹は自身の部屋の前に置いてあるホワイトボードに書いてあった'外出中'の文字を消した。
そして、部屋の扉横にある小さな金庫を首にかけてある鍵で開けた。
金庫の中には小さな紙が入っており、その紙にはたくさんの数字や文字が書かれている。
金庫の奥にはこれまた小さな機械が置いてあり、その機械に紙から導き出したパスワードを入力すると、扉が開く仕組みになっている。
ちなみに中に入っている紙とパスワードは毎日違うものに変えられている。
なぜ琉樹の部屋の鍵だけこんなに厳重なのかは後々話すとしよう。
琉樹はその問題をあっという間に解き、パスワードを入力し、相変わらずの無表情で部屋の中へ入って行った。
そこまでの一部始終を、向かい部屋の鉄格子から悲しげな表情で見ていた者がいたことをこのときの琉樹はまだ知らなかった。
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