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狩矢匡介side
「っくそ。ハゲオヤジが。何でも人任せにしてんじゃねーよ…めんどくせぇ…。」
そう愚痴りながらコッコッと真っ白な廊下を歩いているのが 狩矢匡介(かりやきょうすけ)。
腕が立つことで割と有名な精神科医で、
昨日まで都内の有名な大学病院に勤めていた。
さらに精神科医だけでなく外科医の資格も持っているため、
大学病院ではとても優遇されており、自身も大いに満足していた。
だが急に異動を命じられ、
理由も分からないままこの桜花病院(おうかびょういん)にやって来た。
桜花病院は精神科を専門としている珍しい病院だ。
同じ精神科に入院している患者でも、
比較的症状が軽い患者は地上1階と2階の解放病棟へ入れられるのだが、
幻覚や幻聴、自傷行為、精神的に異常がみられる症状が重い患者は、
地下1階から3階まである閉鎖病棟へ入れられる。
異動して来てから数日後、
匡介がいつものように患者を診察しているのを見た桜花病院の院長(匡介はハゲオヤジと呼んでいる)が、
「君ならあの子の心を開かせることができるかもしれないねぇ。
私にはどうも手に負えなくて…。」
と言われ、一人の患者の主治医を押し付けられたのだ。
「まぁハゲオヤジはいいとして、この患者は…。」
そう言いながら、見ているカルテには包帯だらけで緋色の右眼が特徴的な一人の少年の写真
(カメラ目線のものがないので、これは隠し撮りしたものだろう。)
「今まで色んなヤツ見て来たが、こいつは一筋縄じゃいかないみたいだな。」
そう言いながら狩矢は、その形のいい口を歪ませ不気味な笑みを浮かべていた…。
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