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歌の14。日がくれて
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日がくれて
「佐々木君は中々強情だな」
誠史の膝の上に頭を乗せ
寝そべった蒼太に
夏輝が見下ろす
「うふん…」
蒼太は笑うのみで
「このまま寝てしまっても良いよ」
誠史が蒼太の頭を撫でる
「今度は蒼太が甘やかされているな」
「だって可愛い俺の奥さんだし」
「剛志さん羨ましい?」
「うっ!羨ましくなんかない!」
図星を指された剛志が顔面を真っ赤に染める
「羨ましいんだ」
「素直になれ」
宗巳が正座し
おいでと招く
「宗兄ちゃん…ちょっと違う…」
「ワガママだな。折角の宗兄の好意を」
「幸…お前が言う?」
「優人。膝枕をしようか?」
「いや元弥…それは逆」
いつの間にか着替えた元弥と鬼足もいちゃつき始める
「ああお帰り。二人共満足した?」
蒼太が寝そべったまま二人に話しかける
「先輩達はラブラブっすね」
「僕たちもですよ。でも蒼太さん達はまた嵐の予感が…幸せな二人に嫉妬した剛志さんが…」
「おーい…俺はそんなに暇じゃないから…」
「多分君らの邪魔をするな。可愛い弟分が嫌いな知人に似た男とくっついたんだから、小姑根性丸出しで意地悪をしてくるぞ」
「幸!誤解されるから止めろよな!」
剛志と幸一のやりとりを眺めていた
元弥
「喧嘩するほど仲が良いお二人も素敵です。いざとなったら幸一さんは剛志さんを守る為に…んふ♪」
「元弥ったら!妄想するなら俺の巫女装束にしておけよ!」
「それは毎日夢に見てる」
「うん。五分で腹一杯…と、晩飯の用意をしないとな」
二人のやりとりに飽きた蒼太が体を起こす
「もう?先輩さっき煎餅を食ってませんでした?」
「豚と狸にだ」
「ポチと太郎もだよ」
「ああ、あのデケー犬」
「幸太郎の水も変えなきゃだな。あいつ直ぐ水箱をひっくり返すから」
「おい!鶏に俺の名前を付けるな!」
「あー…幸一と幸太郎」
「幸太郎ってば俺以外になつかなくてさ!可愛いんだよー!」
嬉しそうに話す剛志に
今度は幸一が面白く無さそうな表情を見せる
「あれあれ~?幸、やきもち?」
「うるさい!」
誠史にからかわれ
「それより夕方の当番はお前だろう?」
誠史に狸の面を押し付ける
「じゃあ鬼足にも教えるから俺も行きます」
「はい。所で狸当番は手当は出ますか?」
「契約書を忘れたのか?料金の割り増しの請求はしない。だろ?」
じろりと睨む蒼太
「いやあー!仕置きは手当をつけた方がいいだろ?鬼手君にも付けていたし」
鬼足の電卓を叩く
「これ位なら出せる」
「はい!喜んで!」
電卓の画面を見て歓声を上げる
「甘やかしちゃダメですよ!」
不満げな蒼太に
「君にも巫女手当が付いているだろ?」
宗巳が笑う
「俺は良いんです。こいつみたくがめつくないし」
「えー?特別手当の目録を作ってたよね?」
「一人労働組合」
「先輩ズルい!」
「ふん!俺は経理に関する資格を持ってるからな!ここの経理も任されてんだ」
「それは助かってる」
「経理を任されているものとして、経費削減は当たり前だろ?」
「締めすぎ…」
地下牢
「皆さんお疲れさまです」
仕置き部屋に交代に来た蒼太達に
「おおーっ!可愛い子が3人も!」
「俺達が仕置きして欲しい!」
狸と狗がやんやと騒ぐ
「おじさん達ってば巧いんだから!」
「佐々木君は居ないの?」
「あいつはまだ無理です。血が苦手なんで」
「指を切っただけで貧血を起こす位の重症です」
「蒼太君が大怪我をしたときに良く心臓が止まらなかったな」
「母から聞いた話ですが、病院に着いた後倒れました。真っ青になっていたそうです。丁度こいつらみたいに」
蒼太の顔を見た猪足がヒッと悲鳴を上げる
「だから言ったじゃないか。先輩は怖いって」
クスリと笑い
「それよりおまちかねの飯だ」
湯気の立つ食事の膳をそれぞれに置いていく
「しっかり食って長持ちしろよ。うちの神様は粗末な贄を好まない」
蒼太が監視するなか食事を食べていく
「ちゃんと覚えておけよ。俺達はただ殺すだけの人殺しじゃない。長年培った伝統に基づいて行っている。これもまた神事だ」
「はい!」
一生懸命メモを取る鬼足に
「この鬼が!」
鬼渡が怒鳴るも
「そもそもオトモダチに飲酒運転をさせたお前達の責任だ」
狗が頭を掴み
「黙って食えよ豚ちゃん!」
「ごぉっ!」
膳に顔を押し付けた
「お兄さん。殺しちゃダメですよ」
様子を見ながら
笑っていると
「おーい!井戸に平君が落ちた!手伝える奴は来てくれ!」
男が助けを求めて来た
「平さんが?大変だ!」
「井戸の蓋が開いてる…」
駆けつけた誠史が絶句する
「何で開いたのでしょう?あれって大人数人がかりでも開かないと聞きましたが」
「ああ。それより平君は無事か?」
大人達がロープを引くと
泥にまみれた平が現れる
「義清!」
平は京介に荷物を押しつけると
何も言わず通りすぎ
「すみません。井戸の蓋が空いていたので覗いたら落ちてしまいました」
宗巳に説明する
「そんなことより手当をしましょう!」
「怪我はありません。それよりシャワーを貸して下さい」
「分かった。うちのを使うと良い」
皆が平に夢中で
京介はそっと部屋に戻り
荷物を開ける
もぞっ
「ひっ!」
荷物の布越しの体温と
動きに思わず取り落としそうになる
「このような見苦しい姿であなたに会うことをご容赦ください」
荷物と思ったそれは
人間の言葉を話す
「あなたは…」
「話しは全て相羽から聞いております」
それはにこりと笑う
「こちらもこの村の連中に礼をしようではありませんか」
「ふう…とんだ鬼ごっこだ」
シャワーを浴び
相羽は笑う
「今度はこちらが仕掛ける番だ」
見つかったのはたれでしょね?
続く
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