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ヴヴヴ
今にも始まりそうな雰囲気の中、僕の携帯がポケットの中で振動した。
「……とらないんですか?」
「萎えるタイミング」
ため息を吐き捨てながら、携帯を確認すると表示されていたのは登録してない電話番号。
メッセージアプリを交換したやつは多いけど、電話番号はほとんど教えてない。
仕事用の電話はもちろん分けてるし。
「はーい」
なんとなく、嫌な予感がしてとってみる。
「……蒼羽ぁ、今一緒にいる男だれだよ」
はい、的中。
ストーカー男だ。どうやって番号知ったのかね。
まぁ、何度か一晩共にしてるんだから、いくらか方法はあるんだろうけど。
「誰あんた。さよーなら」
小馬鹿にしたように笑い、電話を切ろうとした時、ガシャン!と何かが割れたような音が響き、つい手を止めてしまう。
何が怖いって、その音が少しの差で外でも聞こえたこと。
いつのまにつけられてたのか。
「……あんた、今どこにいんの」
心臓が嫌に早鐘をうって、顔が強張るのが、自分でもわかる。
聞きながら、そっと音のしたベランダに向かい外を見下ろした。
とっさにしてしまった行動に、男と目があって、息を飲んだ。
電話から、そこか、と声が届いた瞬間、何かが僕に向かって投げられる。
「………っ!」
当たる、と目を瞑った瞬間、ガシャン!とさっきよりも大きい音が響いた。
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