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ハロウィン-冬夜・ウリエラの場合
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陽が傾いて、月が登る。
いつものように目をさました。
「んー?なんか今日、外がうるさい……なんかあったの?」
「冬夜、Trick or Treat!!」
「ウリエラ?何その格好。」
ドアの陰から可愛い可愛い俺の天使は、今日は天使じゃなかった。
ピンと先の尖った黒い帽子。黒い少し短めのマント。手には箒。
「もしかして…魔女?」
「そう!今日はハロウィンだから仮装しないかって春陽が。」
そういえば自分の着てるものも、なんだか普段とは違う。枕元にはドクロのマークがついた変な形の帽子。
「残念、スカートじゃないんだな。」
「なっなんで僕がスカートなんか履かなきゃいけないの!僕、男だからね!!」
照れながらも裾を気にするように弄っているのが可愛い。あー、早く吸いてー、なんて思いながら、いいことを思いついた。
「ん?でも魔女、だろ?そうだ、お菓子持ってないからさ、イタズラして。ねぇ、可愛い俺だけの魔女さん、俺に魔法をかけて?」
「へ?」
「だってさっき、Trick or Treatっていっただろ?」
さっきから赤かった顔がさらに紅潮して、湯気まで出そう。
「そんなの聞いてなっ!ちょっと!」
キャンキャン抗議の声を上げるウリエラの腕を掴んで、ベッドに引き寄せる。
「ほら、早く。さっきのは嘘?」
何をされるのか、ワクワクしていると、突然ウリエラの俺より少しだけ小さい手に、目を塞がれた。
唇になにか暖かくて柔らかなものが優しく押し当てられる。
ちゅ
というリップ音と共に離れていく熱。
解放された視界に映るのは、耳まで真っ赤に染めた魔女。顔を逸らしているせいで、首筋が顕になる。
やばぁ。もう小悪魔の方が似合ってたんじゃないかと思えるほど、俺を煽りっぱなしだった。
「これでいいでしょ!もう……あっ」
我慢なんてできなくて、後ろから抱きすくめる。
「ね、Trick or Treat?」
「あっ…くすぐったい!離してってば!」
「ダメ。じゃあ俺も、イタズラのお返し。」
そう言って牙を突き立てる。
どんなお菓子なんかよりも甘くて、どんなイタズラよりも背徳的な極上の血。ふわりと立ち上る微かな粒子にさえ酔いそう。
可愛い魔女さんの口からも絶えず官能的な声が漏れ出ていて、ますます情欲を掻き立てる。
「はぁ…。これじゃTrick and Treatだな。いつものお前もいいけど、今日のは格別。来年も、期待してるから。」
その後朝までその部屋のドアは固く閉ざされたままだった。
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