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その後何事もなく昼休みまで過ごす事が出来たが、すべてが憂鬱で仕方がなかった。
アドレスは変えれば済む事だが、きっと電話番号も知られているだろう。
痛む腰でなんとか体育も乗り切った。
怪しまれやしないか動きはおかしくはないかと内心ヒヤヒヤして授業が終わる頃には精神的にもぐったり。
だが次ぎは古典。
長岡の授業が待っている。
朝こそ接触はなかったが、授業となればわからない。
もしかしたら放課後呼び出しを受ける事だって考えられる。
相手は教師だ。
いくらだって理由はつくれるだろう。
机に突っ伏する三条に一緒にお昼を食べていた友人達は目を向ける。
「体調わりぃの?」
隣の席の田上はパンを食べていた手を止める。
お互い出身中学から自分達しか進学しておらず、同じ境遇に入学式後すぐに仲良くなった。
今ではこうして一緒に昼食を食べるだけでなく、遊んだりもする仲だ。
のそりと半身を起こし飲み物を一口口にする。
「いや、大丈夫。」
「昼もそんな食ってねぇし。
早退するか?
長岡に言っとくぞ。」
本当にだいじょうぶ、と言おうとしてその声は遮られた。
「三条。
次ぎの授業の準備手伝ってくれるか。」
背中を冷たい汗が流れる。
すごいタイミング…
「俺代わろうか?」
見られてる。
あの目に見られてる。
そう考えるだけで身体が熱くなった。
嫌なはずなのに…、なんで…
「…はい。」
田上達に大丈夫行ってくると言い残し、
長岡の後に続いて教室を出た。
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