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冬の気配すら感じはじめ、ニュース番組では連日の様に今期最低気温を記録したと伝えている。
肩の跡は赤く腫れ、痣の様に変わり紫色から黄色味を帯びてきた。
あれから長岡はそれまで通り教師らしく接してきている。
あくまでも、自分から声をかけさせたいのだろう。
頭も良いし顔も良いのになんで男の俺なんだよ…
あの容姿じゃ困んないだろ…
ぼーとテレビを眺めながら何度目かの溜息が漏れた。
「兄ちゃん悩み事?
あっ、彼女?」
「ちげぇ。
小学生がマセんな。」
わしゃわしゃと撫で回すとうはうはと喜ぶ弟の優登。
歳が離れている分憎たらしいが可愛い。
満面の笑顔を惜し気もなくみせてくれる優登に、三条の表情も少し緩む。
「対戦ゲームしよ!」
「んー」
「しよーよ!
ねぇー!
ゲーム!」
はいはいとゲームをはじめるといくらかすっきりしてきた。
「うわっ、亀投げんな!」
「兄ちゃんつぇーんだよ!」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら久しぶりに楽しく兄弟の時間を過ごす。
そういえばあんな事があってから部屋にばっかりいて遊んでなかったな
なんかすっきりしてきたかも
隣で楽しそうに笑顔を見せる弟に感謝しながらも手は抜かず気分転換を楽しんだ。
気分転換がこんなにも頭の中をすっきりさせてくれるなんて思いもしなかった。
と言うより、そんな事を考える事すらしなかった。
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