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寒い廊下から教室に入るとあたたかな空気が身を包む。
あたたかさに末端にも血液が回りだした。
「おはよう」
「田上くん三条くんおはよー」
A組は男女の仲が良い。
ある程度固定グループはあるがお互い挨拶もするしくだらない話しもしあう。
他のクラスに友達がいないから比べようがないが、中学よりもフレンドリーで最初はびっくりした。
それこそ男女で言動で差をつける方がおかしいと思う程。
最初こそ敬語だったが今ではタメ口で話している。
田上も吉田も良い友達だしこのクラスになれて良かった。
窓際の自分の席に座ると少しひんやりする。
これからの季節窓際は少し寒いけど外が見えるから好きだ。
「間に合ったー!」
「吉田くん、おはよう。」
「知佳ちゃん!
こいつ10分前までふとん中に居たんだぞ。
ほら。」
「うわ、吉田くん最低ー」
「知佳ちゃんなんで!?」
楽しそうな会話に耳を傾けながら窓の外をなんとなく眺める。
あ、先生…
職員用駐車場から近道の中道を通って足早に校舎へ消えて行った。
長岡がどういうつもりでいるのか解らない。
遊びや冗談にしてはリスクが高過ぎる。
あの長岡が考えもなしにあんな事をするとは思えない。
それに…
同性に犯されたと言うのに嫌悪感が…
「なぁ、三条は俺の味方だろ?」
「吉田最低」
「三条まで!?」
はははっと教室内に笑いが溢れる。
このクラスの雰囲気が好きだ。
今は考えたくない。
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