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不必要な音を立てない様に仕切りの扉を閉め、三条の服を集める。
通話が終わるのを待ちながら自分も服を着替えた。
扉の向こうから寝起きだからか少し舌足らずな話し声が聞こえる。
「うん、うん、わかってる、大丈夫…じゃあね」
「ほら服、着替えろ。」
通話を切った三条に声をかけると小首を傾げられた。
どうしたかと視線を合わせて膝を付くと、また首に抱き着いてくる生徒に頭が着いていかない。
「今日、泊まるって、電話しました。」
「は…」
「ねむたいです…。
おやすみなさい。」
「マジかよ…。
起きろって。」
肩口にぐりぐり額を押し付けて嫌々し始める。
何時もの年相応と言うか少し大人びた印象とまた違う。
「んー。
泊まるって、言った。
帰るのおかしい。」
ひとつ小さく溜息を吐いた。
三条の言ってる事も理解出来る。
でも…教師としてどうなんだ…
教師…?
あんな事をしておいてどの口が言える
泊まると言えば家族もその様に支度をするだろうし、時間も時間だ。
青少年健全育成条例の手前22時を過ぎて未成年を外に連れ出すのも気が引ける。
「…わかった。
ちゃんと親御さんに言ったんだな?」
嫌々を止め小さく頷く三条の背中をまたあやす様に撫でてやる。
ポンポンとしていると小さな寝息が聞こえてきた。
狡い大人だ
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