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健気×強気 5
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(唯視点)
秀くんが、おれにキスをしすぎだと言って離れると急に黙り込む。
あれは、たぶん何かを考えている顔だ。
こんな状態で一体何を考えてるのかと秀くんの顔を見ながら小さな嫉妬をしたとき、首元にズシッと重みを感じた。
えっ。何これ…秀くんの腕…?
「…!?!?!?」
現状を把握した途端、顔に熱が集まっていくのを感じる。
秀くんの腕が、まるで縋るかのように僕の首にまわされている…。
えーーーっ!?秀くんが甘えてるの!?おれに!?
こんなこと、滅多にないよ…!!!
「…?どうしたんだよ急に。」
秀くんはあたふたと驚くおれを不思議そうに見つめる。
コテッと首を傾ける様がとんでもなく可愛らしい。
そして秀くんの顔がハッとしたものに変わった。
「!?〜〜〜!?!?!?///////」
驚いたかと思ったら次は急に真っ赤になる。
…どうしよう。可愛い。とんでもない。
なんか、なんか、めちゃめちゃーーーー…。
秀くんが腕を解こうとしているのに気づいて、思わずグッと強く腕を掴んで抱き寄せる。
やばい。やばい。
思わずさらに強く抱きしめて、夢中で秀くんの唇を奪う。
「〜〜〜ンンンッ!ちょ…ンッ…ゆッ…い…!!!」
秀くんは身をよじりながら抵抗しているけれど、ごめん、今は気持ちが溢れて止められない…。
「…さっきのは、秀くんが悪いよね…」
「ンンッアッ…、さっきのはァッ…ふ、かこうりょ…ッんんッ!!!」
おそらく不可抗力だと言わんとする秀くんの言葉も飲み込むほど激しくキスをする。
けれどそれって、さっき甘えてきたのは無意識だってことなのだろうか。
はぁ、どうしよう。本当に止められない。
「ゆ、い…やめッ…!!」
秀くんがさすがに耐えられなくなったのか、おれが鼻から息を吸い込んだ瞬間に、強く抱きしめられ、首元に頭を擦り付けてきた。
「わッ…!ちょっ…なに…秀くんつぶれちゃうよ…?」
これもおれに甘えてくれてる…?
秀くんはゆっくり呼吸を繰り返して息を整えているみたいだ。
わずかに見える横顔と耳は言うまでもなく赤く染まっている。
愛しい。
この気持ちに名前がつくならきっとそれが1番あっている。
愛しい。愛しい。愛しい。
今腕の中に愛しい人がいることが、この上なく幸せだ。
おれの胸は、どうしようもなく鼓動を早めていく。
そして秀くんの鼓動も、まるでおれの鼓動に合わさるかのように早まっていて。
秀くんが好き。
今すぐ伝えたい。
けれど、なぜか今だけは、言葉にしてしまうのは違う気がして。
重なる鼓動が嬉しくて、ずっと聞いていたいと思う。
そうやって秀くんを抱きしめたままでいると、秀くんはゆっくりと絡めていた腕をほどくと、おれの胸に手をあて、どこか優しい目でみつめてくる。
しばらく自分の鼓動だけが響くいていた。
そして秀くんは、幸せに浸っていたおれの頬をやさしく包み込み、ゆっくりと近づいて口づけてきた。
「ん…はっ…」
ひとつ、ちゅっと軽く離れたかと思うと、ふたつ、みっつと口づけがどんどん深まっていく。
最初こそ少し驚いたものの、回数が増えていくごとに、その幸せな快感に酔いしれていった。
自分が好きでたまらない相手に、好きを返してもらえている。
なんて、おれは幸せなんだろう。
好きだ、好きだと壊れたように俺の胸が鳴る。涙がにじむ。
秀くんが、ほんとうに、大切だ。
おれに応えてくれる秀くんが、たまらなく大切だ。
しばらくお互いに求めあって、ゆっくりと離れる。
そして自然とお互い見つめあう。
秀くんは今、おれに何を思っているのか。
そう思ったとき、おれと同じ赤い顔の彼はゆっくりと言ったのだ。
「唯…俺のこと………抱いて…。」
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