アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
健気×強気 7
-
「なッな……
なんで!?!?!?!?!?!?」
唯が今まで聞いたことのないくらい大きな声を出して乗り出す。
ていうか何回言わすんだよ!!!!
クッソ!!!今すぐ死にてぇ!!!!!
「えっ…それっ…て…おれのため…!?」
「お前以外の誰のためにんなクソ恥ずかしいことすんだよ!!!!!!」
「えっでも秀くん女役するつもりなかったんじゃ!?」
「そうだよ、俺がお前抱く予定だったんだよ!!!!!!」
唯が何を言っているのかまるでわからないといった顔でいる。
あぁ、もう。全部言わないといけないのかよ。
「だ…ッて…やじゃんか………」
「えっ…やっぱり秀くんおれとじゃ…」
「そうじゃない!!!」
こんなになっている今そんなことがあるわけがないだろ!!!
ええい、もうどうなっても知らないからな!!!
「そうじゃなくて!!………
ッ………その…もし、な!?いいかよく聞けよ?もし、だぞ!?!?絶対ないと思ったけど100回に1回てきな…その…その、も…もしかしたらが最初に俺の方にまわってきちまって……あの…俺ら初めてなのに…そんな最初が最悪とか……それこそ1番最悪で………だから……えっと…何言ってんだか俺………とにかくそんな感じで………ごめんなに言ってるかわかんないよな………。」
途中から自分の言っていることさえよくわからなくなって、うまく言葉にできないことがもどかしくて。
恥ずかしくて段々と下がっていった顔をおずおずとあげて唯の様子を伺う。
「!?えっ!?なんで泣いてんのお前!?」
呆然、が1番あっているだろうか。
唯は目も口も開いたまま固まっていて、涙だけがはらはらと落ちる。
「ちょっ…もうなんでそんなに泣くんだよ〜〜〜!!」
流れ続ける涙を指で拭ってやる。
…泣きたいのはこっちなんだけどな!(羞恥で。)
「だ、だって…だって…」
やっと口を開いた唯と視線が交わる。
「それって、秀くんッ…自分の気持ちより、おれ以上に、おれの………ううん、おれたちのこと、考えてくれたってことでしょう…?」
「なッ…!!」
そんな風には考えてなかったから、さらにグッと恥ずかしさがこみ上げてきて、とっさに反論しようとしたけれど、よく考えたら唯の言うことは間違っていない気がした。
そっか…。
俺はただ、この目の前の男との最初の思い出を大切にしたかったんだ…。
普段なかなか素直に甘えられないぶん、何よりも甘く、何よりもあたたかいものになるように。
そして何よりも、おまえが好きだとまっすぐ唯に伝わるように。
「秀くん、ありがと。だいすき。」
そう言って唯は、切ないようななんとも言い難いなさけない顔で笑った。
ああ、かわいい。
「…俺も、大好きだ、唯。」
ふふっと笑いあって抱き合う。
「ていうか、俺らまだいわゆる前戯ってやつしかしてないぞ…」
「あ、そっか…。なんかもう幸せでいっぱいすぎて…。ていうか、秀くん、良い雰囲気だったのに急に現実に戻してくるよね。」
「だって…なんか想像以上に甘すぎてなんか、お腹いっぱいなんだけど」
「え〜〜〜お腹いっぱいなの?じゃあもうやめるの?」
唯が意地の悪い顔をしてこっちをみる。
…なんだか、今日だけで唯の新しいいろんな表情が見れた気がする。
「…嘘。まだ全然足んない。」
そうやって擦り寄ると、唯は満足げに笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 12