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健気×強気 10
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ゆっくりと立ち上がろうとした唯の首に腕を回して、それを阻止する。
「…秀くん…?」
唯の考えていることはもうわかる。
大方、俺のために体勢を変えようとしているのだろう。
「いいから…。このまま、きて…」
腕にキュッと力をいれると唯の瞳が揺れた。
「でも最初は後ろからの方が…」
ほら、やっぱり思ったとおりだ。
自分で調べたとき、たしか男同士の初めてのセックスは騎乗位かバックがいいと書かれていた気がする。
…それは挿入される側が大変だからで…。
「唯、ちゃんと俺のこと考えてくれてありがとな。」
「だったら…」
「でも、俺、やっぱり唯の顔見ながらシたい…。あぁ、唯に抱かれてるんだって感じながらシたい…。」
「秀くん…」
「唯…俺、お前のこと、大好きなんだよ。」
いつもはプライドが邪魔をして憎まれ口ばっかり叩いて、素直になれなくて。
こんな恋人なら当たり前に言えるような言葉1つを言うのにも体が震えて涙も滲んで。
「ちゃんと、伝わってる…?」
「うん。伝わってるよ…」
本当、情けないけど、それでもやっぱり唯には俺の全てを知ってほしい。
唯に擦り付けるように少し腰を浮かせて、ベッドの端に寝ていた枕を自分で下に敷く。
これで少しは挿入しやすくなったはずだ。
そして今よりも少し足を開く。
さすがに、抱きついたままでは難しいだろうと首にまわしていた腕をといて、代わりに頭の横あたりにあるシーツを手繰る。
「ゆい……」
俺の一連の動きを見ていた唯は、俺の呼びかけにハッとして唾を飲み込んだ。
「いいよ。唯…はやく…。」
唯は素早くローションを自身に塗りたくると、俺の 太ももを抱えて、後ろに先をあてた。
「痛かったら…ちゃんと言ってね……秀。」
「わかった…。だからもっと名前呼んで、唯。」
「…力抜いて、秀…。」
「ぅ…んあッ…!」
唯がゆっくりと腰を突き出して挿入ってきているのがわかる。
あんなに慣らしてもらったのに、圧迫感でいっぱいになる。
「秀…ちょっといきんでみて…」
思わず締め付けてしまっていたようで、唯が苦しそうに言う。
「ぐッ……んぅッ…あ…!!」
下腹に力を入れていきむと狭い穴がすこし開くような感じがした。
そのタイミングを見計らって唯はぐっと腰を進める。
「……ぅっあ…!!」
「ァアアアッ!!!!」
ゼェゼェと肩で息をせざるを得ない。
唯もまた、荒い呼吸を繰り返していた。
「はぁッ全部…入った………ッ?」
「まだ……カリのとこまで………ッ」
ま…まじかよ…。
体感的には確実に唯が腹に入ってきているのがわかるから、全部入ったと思っていた。
まだ先しか入ってないじゃん…。
「はぁッ…1番ッ…太いとこは…入ってる…よ…」
息を整えようとする唯が切れ切れに言う。
そうか…。自分も苦しいけど、唯だって苦しいんだ…。
唯は俺の様子を見て、それが馴染むまで止まってくれている。
「秀の中……やっぱ狭いね……。痛いよね……。」
「唯……。」
自分もしんどいだろうに、唯は俺を気遣って、俺の前をゆるゆると触ってくれる。
「あッ…ぅ…んっ…ぁ…ッ」
「秀、気持ちいい…?」
「…アッ…ぅ…うん…きもちッ…あッ…!」
だんだんと意識が快感を拾っていって、苦しさが和らいでいく。
同時に、唯への愛しさもどんどん大きくなっていく。
「うぁん…ッア…ンッ…ゆぃ…ゆぃ…!」
「ッ…はぁッ…んッ…きもちいいの…ッ?…かわいい…ね…」
「そ…じゃなッ……ぅあッ…あッ…」
「ん…?勃ってきた……ね…」
「ゆぃ…ッ…もッまえいいからッ…もっときて…!!」
「…!!」
「はやくッ…ゆぃとひとつになりたいッ…!」
はやく唯といっしょに気持ちよくなりたい。
「ぜんぶ…くれ…唯のぜんぶ…俺に…ッ」
掴んでいたシーツを離して唯に向かって両手を伸ばす。
すると唯の顔が歪んだ。
「大切にッ…したいのにッ…!しゅうのばかやろッ…!!」
次の瞬間ズンッと鈍く重たい衝撃が奥まで伝わってくる。
「アッうああアアッ…!!!!」
そして唯の体がゆっくりと倒れこんできた。
俺はハフハフと必死に酸素を追う俺の顔の横に両手をついて体を支えながら息を整えている。
肌にぽたぽたと唯の汗が垂れた。
「おま…いきなりすぎ………」
「しゅうが…煽るから……あんなの…我慢できない……ッ…」
勢いよく突っ込まれた穴はジンジンと鈍い痛みをもっていたけれど、それ以上に、なんともいえない幸福感でいっぱいになっていた。
「でもごめん……痛かったよね……」
俺から仕掛けたにも関わらずやっぱり俺のことを1番優先する唯に胸がきゅうっと締め付けられる。
「これ……ぜんぶ挿入ってる……んだよな…」
「…うん。全部、挿入ったよ…。」
「そっか…。そっか…。」
鼻の奥がツーンとして、目から涙が零れおちる。
「しゅ…」
「ちがう!」
唯の言葉を遮って続ける。
「おれ、今、幸せだなぁって思ってるんだ。」
「しあ…わせ…」
「唯といると、俺しあわせだよ。」
「………!!」
大きく開かれた唯の目からも雫がぽたぽたと零れおちてくる。
綺麗だ、と思った。
唯を強引に引き寄せて口づける。
「やっぱ、可愛いな、おまえ。」
「秀のがかわいい…けど、かわいいのは俺の前だけにして。」
「ッ…!!」
唯の恥ずかしいセリフに思わず後ろをキュッと締め付ける。
「ぅ…アッ」
唯が一瞬苦しそうな顔をする。
「お…お前ッ…大きくすんな…!!」
「えッそれって理不尽じゃない…!?」
「………」
「………」
「ブハッ」
「フフッ」
お互い突っ込み突っ込まれているというのに、あまりの色気のなさに思わず笑ってしまう。
「アッ………ちょ!秀笑わないでッ…締まるッ……!!」
「んなこと言ったってッ…無理ッ…!!フハッ…!!」
「ちょっとほんとダメだってば…!!」
そう言って唯は笑う俺の口を塞いだ。
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