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1週間とかからずクレトは退院となり、それでも傷が痛むのでしばらくは自宅安静ということになった。
クレトの証言からアクサナは重要参考人となった。
しかし、警察は、まだ彼女を見つけられていない。
病院には24時間スタッフがいるから、傷の心配はあれど、レオンはとりあえずは安心して仕事に行けた
しかし、退院してからは心配で仕事に行かなかった。
もしかしたらアクサナがここへ来るかもしれない。
そう考えると気が気ではなかった。
そんなレオンの行動を嬉しいと思いつつ、いつまでも休んでいられないので、クレトは数日後、多少痛いが大丈夫だからと一緒に店に出勤した。
入院中、レオンはクレトに何度も謝った。
アクサナの気持ちに気付かなかったばかりにクレトをこんな目に遭わせてしまった、すまない、と。
その度に過剰なほど甘やかすレオンに、そんな償いはいいからとクレトは傷を押さえながら笑った。
普段ぶっきらぼうなレオンが甲斐甲斐しく世話を焼くものだからおかしくてたまらなかったのだ。
しかし、からかうように笑うクレトにレオンは真剣な眼差しで言った。
「お前が死んじまうかと思うとドン底なんてもんじゃなかった。真っ暗闇にひとりで放り出されたみたいで叫び出したい気分だった。お前がいないとか、俺には無理だ」と。
そんなレオンが今はピアノを弾いている。
それをクレトが指定席で聞いている。
マスターはこっそりクレトに告げた。
クレトが入院中、レオンはそれはそれは暗い顔をしてた、と。
そして、あいつを店に連れ戻してくれて礼を言うよ、と笑った
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