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23 誠人
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あれから僕は正宗君の好意に甘えて夕飯を頂くことになった。
しかし、食事中の2人の様子は今までと違いぎくしゃくしている。
いや、「2人」ではなく正宗君が佐久間の事を一方的に避け始めたのだ。
きっと先程の、僕のおかしな一言のせいだろう。
この2人の近さには家族以上の何かがある様に思えて思わず発した言葉だったが、家族の距離は家庭それぞれ。
僕の言葉で正宗君が引け目を感じてしまったのならば、申し訳ないと思う。
「まさー!」
佐久間はまた正宗君にくっつこうとするが、またしても正宗君が佐久間を避ける。
あ…。
その時僕は、気づいてしまった。
正宗君が頬を赤く染めながら、今にも泣き出しそうな顔をしている事に。
正宗君は佐久間に恋愛感情を抱いている。
しかし陽は気づいていない。
きっと、家族だとか男だとかいうものが邪魔をして想いを伝えられないのだろう。
伝えたくても伝えられない。
そんな気持ちを、僕は知っている。
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