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42 陽
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「嫌だ。なんで響のヤローはいいのに俺はダメなんだ!!」
「響は…まぁいいんだよ……。」
響はいいのに、俺はダメ?
なんでだよ。
正宗に突き放されたような感覚。
俺の側から離れていく。
……そんなの、嫌だ。
俺はいつの間にか正宗を押し倒していた。
「…それってさ、陽も弟君の事好きだからじゃないの?」
夕紀が急にそう言う。
「はぁ?当たり前だろ。弟なんだから。」
「そーじゃなくて、その好きは恋愛感情なんじゃないかって話。」
「え?」
「だってさ、弟君に好きな人がいるって聞いて腹が立ったのも、響って子が弟君にベタベタするのが嫌なのって嫉妬だろ?」
「……嫉妬」
嫉妬なんて、されてもした事なんてなかった。
その言葉は俺はモヤモヤとした感情に当てはめてみる。
「これが、嫉妬…。」
なんだかしっくりきた。
「俺は、正宗の事が好きだったのか…。」
「その様子じゃ、弟君はそーとー苦労してるだろうね。」
呆れたように夕紀は笑った。
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