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51 正宗
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「まさ、好きだよ。家族だからとかじゃない。俺も、まさと同じ。」
「うそ…だ…」
「嘘じゃねーよ。」
「だ、だって…兄さんは女の人が好きだろっ……」
兄貴の事、信じられない。
俺が好きだなんて言ったから、無理して好きだなんて言ってくれてるんじゃないかって考えてしまう。
信じたい。
けど長い間一方通行だった恋は拗れてしまった。
「まさ…」
せっかく兄貴が好きだって言ってくれたのに…
また兄貴を困らせてる。
「……俺はまさが好きだ。嘘じゃない。男だとか家族だとか関係なく、佐久間 正宗って言う1人の人間として好きなんだってやっと気づいた。」
普段見せない真剣な顔で見つめられる。
兄貴の言葉を信じられたらどれだけ楽になるだろう。
「ごめん………信じたいのに…」
兄貴の顔が見れない。
「まさ。」
優しい声で兄貴に呼ばれ、引き寄せられる。
ぎゅっと抱きしめられ、よしよしと小さい時みたいに俺を撫でられる。
「兄さん?」
「ムリに信じようとしなくてもいいよ、今は。でもいつかちゃんとまさに信じて貰いたい。だから信じて貰えるように、これから兄ちゃん頑張るから。」
ごめん。
俺のわがままに付き合わせて。
「ありがとう…」
俺を撫でる兄貴の手は優しくて、あったかかった。
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