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53 正宗
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あの日から兄貴は毎日俺に好きだという。
以前と変わらないようでいて全然違うまるで恋人同士のような甘い毎日。
未だに兄貴を信じられない俺に付き合ってくれることに申し訳なく思う。
俺の兄貴への好きの想いはより大きくなり、信じたいと以前より強く思う。
「なにそれ、惚気?」
「ち、違うっ、相談だっ!!」
今日もまた響に相談をしている。
今日は学校でじゃなくてショッピングモールにあるファミレス。
響が買いたいものがあると行ったので便乗してやってきた。
「惚気にしか聞こえないんだけど。でもまぁうまくいって良かったよ。」
「まだ、付き合ってはない…。」
「正宗って固いよな。信じられなくても付き合っちゃえばいいのに。嘘だっていいだろ。好きな人と付き合えるんだから。」
そういった響はいつも通りなのに辛そうに見えた。
俺が兄貴の話をした時たまに見かける辛そうな響。
「響は…嘘でも付き合いたい相手がいるのか?」
いつもなら追求したりしないのだが、何故か今日は聞いてしまった。
「……いる。…って言ったら、正宗がどうにかしてくれるの?」
響の声はいつもより冷たくて、いつもと変わらない笑顔も怖く感じた。
「悪い。」
響は昔からあまり自分を見せない。
俺には大分心を開いてくれていると思っていたのだが…
俺にはまだ響の心は開けない。
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