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59 正宗
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「はい、お茶。」
「まさ、ありがとう。」
「ありがとうございます。」
礼儀正しいけど、大人しい人だな。
うちに来てまだ数回しか口を開いていない。
兄貴の友人には少ないタイプだ。
「あの、陽……」
女の人が兄貴に耳打ちをする。
…近いな。
いやだな。見ていたくない。
こんな醜い嫉妬、したくないのに。
「ん?……あぁ、そっか。」
兄貴は頷くと、
「まさ、少し2人きりにしてくれないか?」
と、言った。
「……っ、分かった。」
2人きりで何をするんだろうとか、俺は邪魔だったのかなとか考えてしまう。
不安だ。
まだあの人が誰かも、兄貴との関係も教えてもらってない。
そういえば、最近は毎日好きだって言ってくれてたのに今日はまだ聞いてない。
ねぇ、俺は信じていいのか?
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