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番外編 誠人の場合3
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光希と最初に出会ったのは僕の5歳の誕生日パーティの日だった。
この日初めて、僕に婚約者がいることを知らされた。
当時の光希は女の格好はしていなくて、どこからどう見ても男の子だった。
だから両親から婚約者だと言われた時も実感がなくて、僕達は普通の男友達として仲良くなっていった。
僕が光希を意識し始めたのは確か中学に上がった頃だったと思う。
僕の父が理事を務めているその学校で僕と光希の関係を知らない人はいなかった。
でも僕達にとって婚約者と言う関係は当たり前のものでも、他の人達からすればおかしなものだったらしい。
男同士の婚約者、でもただの友だち。
恋愛感情は無い。
ある日友人の1人に問われた。
「おまえらってさ、他に好きな人出来た時はどうすんの?」
その時まで、そんな事は考えた事も無かった。
僕等は別に恋人ではない。
だから光希が好きな人を連れてきた時は、よかったなって言ってやるのが正しいのだろう。
でも、あれ?
なんでだろう。
どうしてこんなにも、胸が苦しいのだろう。
僕はこの時、初めて恋を知った。
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