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…あれ、今誰か近くにいるの?
かなり近距離で聞こえた溜息の主が知りたいがため、首を右後ろへとひねった。
「…あ」
見るとそこには有真同様、驚いた表情をした男が立っていた。
男は有真より年上だがまだ高校生であるようで、着崩した制服にリュックサックを手にしていた。
…なんか、気まずい。
自分が朔夜のことを想って吐いた溜息と男の溜息も一緒だったから。
彼も自分の様に、誰かを想っているんだろう。
すると有真の気持ちを読み取ったのか、男の方が声をかけてくれた。
「えっと、大丈夫…?」
その声は、こんな表情するのは可笑しいかもしれないが、とても透き通っているように感じた。
「はい…。ありがとうございっます」
すると、礼の変なところでかんでしまった。
…恥ずかし、、。
有真の顔が少し朱くなり下を向く。
それを見ていた彼は、クスクスと笑い始めた。
「…っつ。お前、おもしろい、よ」
有真にはどこがそんなにおもしろいのかわからないが、笑われて少し拗ねてしまう。
「んで、…んなっ、とこでかむのっ…」
「そんなに言わなくていいですから…!」
数分後、彼はようやく笑いをおさめた。
「ごめんな…、でもいいよ、お前」
「…はは、もうかまないようにします」
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