アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
14
-
夏目史隆が、昴を眠らせた路地裏に入って行くと、藤城悠が壁に凭れる様にして眠っていた。
「本当に君は馬鹿だね。昴の事になると必死になっちゃって。だから、君と居ると楽しいんだけどね…からかい甲斐がある。」
まるで子供が新しいおもちゃを見つけた時のような顔をして笑っている。夏目史隆にとって、他人とはおもちゃでしかない。
飽きたら捨てて、新しいものを探す。その繰り返しでしか、人と関わってこなかった。
勿論、異母兄弟である夏目直孝も他と同様であり、生まれて始めて見つけたおもちゃだった。
そんな中で唯一彼にとっておもちゃで無い人間が、彼の両親であった。自らを生み出した人間がおもちゃであれば、自分もおもちゃであるということになってしまう。
彼はそれを無意識に感じていたのかもしない。だから、生まれもって他人はおもちゃであると認識していたにも関わらず、両親だけは人間として関わっていた。
しかし、唯一の人間であった両親は早くに事故で亡くなり、そこから徐々に夏目史隆は
おかしくなっていった。
「藤城悠、いい加減起きな。昴の所に連れて行ってあげるよっ!」
ドスッ
夏目史隆に思い切り鳩尾を蹴りつけられ、目は覚ましたものの、激しい痛みに咳き込み、うずくまる。
「げほっ、ごほっ…っ!な…にしやがる‼︎」
蹲ったまま睨みつけると夏目史隆は面白そうに笑っていた。
「君がいつまで経っても起きないのがいけないんだろう?昴の所に連れて行ってあげるって言っているんだから感謝しろよ。」
藤城悠の手を踏みつけながら話す夏目史隆はまるで悪魔の様に笑って見せた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 70