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ギルドは役所の直ぐ隣にあるので、そのまま向かうことにする。
「当然だが僕は身分を隠しているから、余計な発言は控えてくれ」
「へいへい」
「何だその返事は」
本当にこの子は城を抜けてて良いのだろうか。
王子だって仕事とかあるんじゃないのか?
ひょこひょこと歩いていく後ろ姿を見ながら、若干心配になる。
俺が誘拐犯扱いされたらどうしてくれるんだよ。
「入るぞ」
厳重そうな扉を片手であっさり開ける紫桜。どうやら見かけほど重くはない様だ。
紫桜は迷いのない足取りで、入り口から正面でなく、1番端の受付けに向かう。
受付には強面の大男がいた。
何かこう…強そうだ。
「先程登録したばかりの新入りを連れてきた。役職はヒーローで、名は四悠だ。」
「えーっと、どうも…?」
日本では中々お目にかかれない様な体格の男をまじまじと見てしまう。
片目にザックリと大きな傷があるが、結構な男前だ。
「四悠か。どうも。俺はここのギルドマスターをやってる。迷宮の説明はシオーがするのか?それなら俺はランク付けだけするが」
シオー、と間延びした呼び方に疑問を抱き、紫桜をチラ見する。
何故か足を踏まれたので踏み返した。
「痛っ…説明は僕がする。それより先に雪に合わせてくる。」
「いつもの所に居るぞ」
「わかった。…おい四悠、行くぞ」
全く説明してくれない紫桜を恨めしく思いながらもついて行く。
元々この世界に長居するわけでもないし、細かい事は覚えなくて良いなと思う四悠であった。
「所で雪って誰?」
「ダイヤモンドリリーの所持者だ。…余り大きな声でその名前を出さない方が良いぞ。ファンに殺される。」
来て2日目でダイヤモンドリリーが手に入るとは。
それより、ファンって芸能人か何かですか。過激派怖いんですが。
──雪と会い、この言葉の意味を理解するのは直後の事だった。
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