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トラ先生の襲撃②
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洗面台の大きな鏡に映った自分の裸体と、フリルだらけの柔らかなランジェリーを交互に見比べてぼくは深いため息をつく。
トラ先生はああ言ってましたが、実際はぼくに華奢なランジェリーが似合う訳がないのだ。
まず平坦な胸を指摘したところトラ先生は訳知り顔にうんうんと笑顔で頷かれて、それもちゃんと考えてあるわともう一つ包みを持って来ると、腰まである長さの栗毛のゆるいウェーブがかかったヘアーウィッグを差し出されました。
「これで胸の部分は隠せるわよ!」
想定内と言わんばかりの周到な用意に閉口していると、
準備しておいてね〜とご機嫌な様子でトラ先生は、先にお風呂を済ませていたぼくをその場に残してさっさとバスルームに消えてしまわれる。
改めて、ぼくの容貌は海外のキッズモデルさながらくるくるとキツめの天然パーマと大きな瞳、ふっくらした頬の丸顔に唇は上向きでぽってりと厚い、所謂ベビーフェイスと呼ばれる顔付きで、男漢がまるでないのが今回ばかりはうらめしい。
なので、ぼくの顔立ちだけで言うならば自他ともに認める女顔なのですが…。
でも女性っぽいのは顔と身長だけで、武道で鍛えているので小柄ながらも首から下は完全に男の身体をしているのです。
肩は三角筋が盛り上がり上腕二頭筋と上腕三頭筋が発達した腕を持つ無骨な体型の、どのあたりにランジェリーを着こなす要素があるのでしょうか…。
それと、ぼくのアイデンティティーは心も身体も男です。
因みにぼくはホモ・セクシュアルではありません。
トラ先生はバイ・セクシュアルです。
ぼくが同性の男性相手に恋愛感情を抱いたのは、トラ先生がはじめてなのです。
インターネットショッピングでいくらでも手に入るのに、わざわざ専門店まで出向いて男であるトラ先生がひとり女性下着を吟味して購入するという、誰にも褒められない熱意の傾けようを考えると馬鹿馬鹿しいけれど無下にもできず…。
本人はとても楽しそうにしているのでこれで良しとして…。
ぼくは首を振りごちゃごちゃと考えるのをやめて、好きな人の要望は出来るだけ聞いて叶えてあげたい、喜んでもらいたい、という気持ちだけで頭からスリップワンピースを被りました。
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