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新学期が始まる。
夏休みの余韻を引きずりつつ、普段の日々が戻ってくる。宿題の提出、そのあとすぐに中間テスト。返ってきた答案に安心するやら、青ざめるやら、いつもの生活を過ごす。
そして、9月の終わりから騒がしくなってきた。
そう、10月最後の土日に行われる学園祭の準備だ。
うちのクラスは…女装喫茶。ありがちだ。ほかにも被っているクラスがあるらしい。
そして、今からくじ引きで表でウェイトレスする人と後ろで料理したり、飲み物を作る人を決めるらしい。みんな念を送ってる。決まった係はお互いの相談で変えてもいいらしい。そのかわり、実行委員への報告が義務。
ドキドキしながら、どうか調理でありますようにと願った…が、そんな、願いも虚しくウェイトレスが当たった。涙もウェイトレスらしい。えぇー!!って騒いでいたけど、しょうがないから目立ってやると言っていた。僕は変えたい…。誰かにお願いしようとしたら、涙に止められた。
ぽん、と肩を叩かれて振り向くと佐藤くんがいた。
佐藤「桜田!ウェイトレスなの?」
雪「うん…。すごく嫌なんだー。佐藤くんは?」
佐藤「俺裏方。残念だったな!」
屈託のない笑顔、爽やかだなー。
こんな僕にも話しかけてくれる、優しい人なのだ。
交代してとお願いしてみるも、頬をかきながら苦笑い。
佐藤「…そんなことしたら、俺が睨まれるだろ。」
雪「?佐藤くんのほうが顔立ち綺麗だから似合うと思うけど?」
佐藤「いや、180オーバーの女装とか怖いでしょ!…絶対桜田のほうが似合うし。」
最後聞き取れなかった。
雪の背後で多くのクラスメイトがガッツポーズやら、嬉し泣きしていたことに雪は気づかなかった。
それから、メニューの案を出しあったり、衣装について話したりしてるとあっという間に遅い時間になった。
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