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そのあとは大泣きをした涙を宥めて、目元を赤くしたお母さんに連れられて、家に帰った。
涙はベッタリと引っ付いていて離れない。
玲子「雪ちゃん、ホントに大丈夫なの?お母さん心配で、心配で。こんなに怪我して…。」
大きな目からまた涙が溢れる。右にお母さん、左に涙が引っ付いてきて、抱き込まれる。
怖かったけど、それ以上に心配をかけたことが申し訳ない。
そのとき、バタバタすごい足音とリビングのドアがバンッと開いた音がした。
雨音「雪!雪が怪我したって!!」
ソファで団子状態の僕を見て、顔を青ざめた。
雪「お父さん。仕事は?」
雨音「そんなことより、大丈夫なのか?包帯まで。ほかに怪我してるとこは?診てみるから。」
そんなに慌てないで。
苦笑して、お母さんと涙を叩き、離すようお願いする。しぶしぶ手を離す。
軽く怪我を診られて、お父さんはほっと息を吐く。
雨音「内出血と打撲だな。頭は軽く打っただけとは言え、一度検査してみようか。」
それから、お父さんはお母さんを宥めて、僕は涙を宥めて、夕飯にする。涙も一緒に。
それから知らせを聞いた咲さん達が、また飛び込んできて、僕を抱き締めて目を潤ませていた。
周りがこんなに混乱するとホントにこっちが冷静になるな。先輩達にも謝らないと。
明日はお父さんと病院に行くことになり、先生に電話で説明して、明日は休むことを連絡した。そのまま少し休んでもいいと言われた。色々な処理は先生達がやってくれるらしい。
先生に言われたことをお母さん達に話して、今日は寝ることにした。
雪「涙、もう大丈夫だから帰りな。」
涙「やだ!一緒に寝る!!」
うーん、それは帝先輩的にどうだろう。
涙「帝には言ってきたもん!!」
おぉ、珍しく計画的。
一番心配しただろうな。苦笑する。
僕の部屋に入り、寝間着に着替えてベッドに潜り込む。いつものように涙を胸元に抱き込んで寝ようとしたら、違う!と言って、逆に抱き込まれた。
ふっと笑ってお言葉に甘えて、そのまま意識が落ちていく。
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