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今なんて…。
皇「雪、雪。ホントにお前が好きなんだ。やっぱりあいつに渡したくない…。」
更に強く、強く抱き締められる。
息が苦しい。
皇先輩が僕を好き…。なんのこと。
だって、まだ涙のことが好きって…。
雪「………そんなわけない。あなたが僕を好きだなんて、あり得ない。」
心が喜んでる。でも、頭は冷静で言葉は溢れる。
どうなってるの。
皇「俺は雪が好きだ。あり得ないなんて言うな。」
イラっとして、皇先輩の腕の中でもがく。
全然びくともしない。
雪「………あなたは涙が好きなはずでしょう。」
諦めて抵抗をやめる。
そのまま振り向かされ、抱き込まれる。
顔があげられない。
皇「俺は涙が…好きだった。嘘じゃない。でも、今は雪が好きだ。」
頭にキスが降ってくる。優しく、優しく。
雪「………嘘。あなたはまだ涙が好きでしょう。この前告白してたじゃないですか!いきなり僕を好きなんて…信じられるわけない。」
自分で言って、悲しくなる。
そのままズルズルと二人で座り込む。
足に力が入らない。
皇「あぁ、あれを見たのか。…確かに涙に告白した。
ちゃんと振られるために。」
何言って…。
皇「俺は…水族館に行ったあとから、ずっと雪が気になってた。でも、涙のことがあったから、雪の優しさにすがっていると思ってた。…でも、それからもずっと、ずっと雪を見てた。傍にいきたくて、手を伸ばしたくて、仕方なかった。」
水族館…。
初めて皇先輩と二人でいった。
皇「でも、自分では認められなくて…。涙のことが引っ掛かっていたから。まだ友人に戻れてなかったんだ。」
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