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イケメン教師、校長室で村田に犬と言われる
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校内放送が流れ、校長が戻ってほどなく、村田が血相を変えて校長室に来た。まだ下校していなかったようだ。
「君、小坂先生をおどしているそうじゃないか」
校長が、村田をソファの反対側に座らせて聞いた。
「違います。小坂先生が、俺を誘って、エッチなことをしようって言ってきて。生徒とするのが、病みつきらしくて。俺の友達も、被害にあってます」
村田は、でたらめを言った。
「誰だ」
「宮本ってやつです。証拠の動画もあります。見ます?」
「いや、今はいい。君はお父さんがいないそうだな?」
校長は、いきなり話題を変えた。
「は? だから? 差別ですか? 最近、メールのやりとりしてて、今度、いっしょに食事することになってます」
そうなのか。そのことは小坂も聞いていなかった。
「そうか、それはよかったな」
校長は立ち上がって、村田の肩をたたいた。
「お父さんと会うのは久しぶりか?」
校長は、村田の隣に座った。
「会ったことないんですよ。覚えてないっていうか」
村田は、校長の親しげな態度に戸惑ったように、横に座った校長の方へ身体を向けながら答えた。
「私も大学生の息子が一人いるんだよ。引きこもりでね」
校長が打ち明けた。
「えー、そうなんですか。息子さん大丈夫ですか?」
「君みたいに友達がたくさんいればいいんだがね」
校長は、悩んでみせた。
「そうでもないですよ……。それより、俺、勉強が……。親父が大学の学費を出してくれるって言い出したんだけど、俺の入れる大学なんて、あんのかな……」
「部活をがんばりなさい。推薦がとれるよ」
「部活……。先輩に喧嘩売ってたから、今さら戻れないよ」
「先輩に謝ればいい」
「なんで俺が謝んなきゃいけないんだよ……」
村田は不満そうに口をとがらせた。
「じゃあ、小坂先生には、よく注意をしておくから」
村田は立ち上がり、校長に一礼して校長室のドアを開けた。村田は、ドアまで送っていった小坂に、
「告げ口してんじゃねぇよ。校長の犬!」
と小声で毒突くのを忘れなかった。
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