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イケメン教師、駐車場で欲情する
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駐車場の車の中で小坂は、調教師の麓戸に、
「相手は校長か」
と問われ、しばらくの沈黙の後、
「違います……」
と答えた。
小坂の心臓は、強く打った。嘘を言ったわけではない。神崎校長には、指でされただけだ。なのに小坂は、麓戸から浮気を指摘されたような、後ろめたさを感じた。
小坂を他の男とさせようとしているのは、麓戸の方なのに。
電話の向こうで、皮肉な笑いを浮かべている麓戸の顔が、想像できた。
「ほんとうか? 愛出人の卑猥なアナルを前から狙っていた、好色で変態な校長じゃないのか?」
麓戸は、電話ごしでも、小坂の動揺を見ぬいているようだった。
「違います」
小坂は、二度、答えた。
神崎校長には、自分が、こんな乱れた性の遊戯に耽っていることを知られたくなかった。職業上の理由からだけではなかった。神崎……先生には、知られたくなかった。小坂のことを、いつまでも純真無垢な高校生だと思っている神崎先生には……。
「そうか、変態校長は不能だったな。愛出人を犯したくても、できないわけだ」
麓戸が、珍しく、心底おかしそうに高笑いするのが聞こえた。
そんな風に神崎校長が嘲笑われるのを聞いて、小坂は、黙ってはいられなくなった。
「校長には、指でしてもらいました」
と、小坂は、いらぬ報告をした。
麓戸は、
「フン」
と、小ばかにしたように、鼻で笑った。
「能天気な校長だ」
麓戸は、電話の向こうでクックと笑った。
「部下の小坂は、もう、その程度で、満足するような身体じゃねえんだよ。その程度で、かわいい小坂センセーを支配した気でいるなんて、おめでたいな」
麓戸も、ことさらにヤクザな口調で返してきた。
小坂はムッとした。
「ん? なんだ? 上司を笑われて、一人前にムカついてるのか?」
麓戸は、小坂を揶揄するように言った。
「反抗的だな。そそるよ……俺のテクに骨抜きになっているくせに、まだ、そんな態度をとるなんて……。いい度胸してるじゃないか。今日も、たっぷり可愛がってやるぜ」
麓戸に挑発されて、小坂のアナルはうずいた。自分に、生徒に、校長に、さんざん弄くり回された小坂のアナルが、今また、壊れたように、うずいていた。奥の奥までそそぎこまれた、精液か、腸液か薬液か、潤滑剤か……小坂のアナルから、ぬるぬるした液体が漏れ出た。
「どうした。感じてるんだろう?」
麓戸は、なんでもお見通しだ。酷薄そうな麓戸の薄い唇が、薄ら笑いを浮かべて歪むのを、小坂は電話ごしにも想像できた。
小坂のペニスが半勃ちになり、小坂は運転席で、こぶしを握りしめた。なんだってこんな状況で、勃ってるんだ……。まるで変態じゃないか。駐車場の車の中で、電話口から調教師に変態的な言葉を吐かれ、興奮して前を勃たせている教師。最悪だ。おまけにアナルもヌルヌルときてる……。
「校長でないというのなら、愛出人のいやらしいアナルをドロドロにしたのは、誰だ? まぬけな同僚か?」
「いえ」
「快楽に弱い愛出人のことだ、しつこい同僚を断りきれずに、欲情して職員室でしてしまったんだろう?」
麓戸は、嘲笑った。
「デスクに押しつけられて、触られて喘いだんだろう?」
そんなこと……。
「今日の動画がまだ出てないぞ」
麓戸が催促してきた。
「すみません。今、すぐに送信します」
小坂は、電話を切った。
今回の録画には生徒も映りこんでしまっていた。生徒の映りこみをカットするのに手間どり、提出が遅れていたのだ。
それにしても……生徒としてしまっただなんて、恐ろしくて、とても言葉にできなかった。
しかも、演技やプレイではなく、本当に襲われている動画を自ら編集し、自ら怪しげな調教師に送信するなんて。小坂はこみあげる吐き気に耐えた。
わかってほしかったのだ。わかってほしかったのだと思う。調教師にプレイの動画を提出したわけではなく、小坂は、恋人に自分が酷い目にあったのだと真っ先に知らせたかったのかもしれない。
小坂の感情は、ずっと前から、麻痺したままだった。強い情動が湧いた折りに、手探りして、その端をやっとつかんだかと思うと、言葉にする前に、それは、すぐに雲の切れ端のように風に散ってしまうのだった。
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