アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
19thLOVE
-
直視するのも嫌になるくらいの輝かしい笑顔で、楽しそうに義樹を見下ろしている。
「ほら、笑った笑った」
「百面相……って、お前……どこから見てたんですかっ」
「んー? そうだなぁ、廊下歩いたり止まったりしてー、ここ戻ってきてニヤニヤしながらスマホ弄ってー、鏡見てー、顔赤くしてー、頭ブンブンふってたあたり?」
てへぇ、とかわいらしく笑ってみせるが、義樹は全て見られていた恥ずかしさと声もかけずに楽しんで黙ってみていたという怒りが急激に頂点へと達した。
「……って、あれ……とーもきくーん?」
目の前でひらひらと傍から見れば
「……やっぱしおもっきし全部見てんじゃねーかぁっっ!!!!!」
足を振り回すだけだったが、つい敬語を使うことを忘れて比較的本気で義樹は覚樹を蹴りに行く。
それがわかった覚樹もわざとらしくならないようにさり気なく当たりに行く。
もちろん条件反射で反撃することはない。
だが、下手に避けた先にある調度品に振り回した足が当たって、義樹がケガをすることだけは避けたかったからだ。
そんな痛い思いを彼にさせるくらいなら、むしろ自分が蹴られたほうが数千倍もマシだ。
「あぁんみこせんせー! トモくんが蹴ったーっ」
「当たり前だ! ……ふざけんなっ」
顔を真っ赤に染め上げながら頬を膨らます義樹。
そのままそっぽを向いてしまった義樹を見てから抱きしめようと腕を伸ばそうとした。
……のだが。
(……ん?)
腕が義樹を巻き取って抱き締めるよりも先に、机の上にあるものに目が行った。
(って、おいおいまたかよトモくんはァァァ!)
それは、栄養面のことなど微塵も考えられていない義樹の昼食の予定になる物だ。
覚樹ははぁ、と一つため息を吐いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 24