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手紙
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目を覚ますと、そこは自分の部屋のベッドの上だった。
羽島が後処理をしてくれたのか、身体は綺麗になり、服も着させられていた。
「…………、」
覚醒するにつれ、頭の中がだんだんと整理され、それと同時に俺は混乱していた。
訳が分からなすぎる。
媚薬(?)の効果は、高梨のときに消えたんじゃなかったのか。
高梨のときも羽島のときも、どう考えても素面の俺じゃありえない。
一ヶ月オナニーしなくても、普通でいられたんだぞ!?
「…もう、とりあえず考えるのはやめにしよう…」
なにも手掛かりがない今、あれこれ考えたって無駄なことだった。
まだ早朝、なにか落ち着くものでも飲もうと立ち上がると、机の上に手紙が置いてあるのに気づいた。
羽島からだろうか。
なんとななく予想しながら封を切ると、その文字は羽島のものではなかった。
『性に満ちた日々を、送れているかな?』
「…っこいつ!」
あの時の、謎の人影に違いない。
どうやって侵入したのか知らないが、早くこの身体を何とかして欲しい。
と思う俺の期待を裏切るように、その手紙は綴られていた。
まずは、あの薬は、一度飲んだらほぼ永久的に効果が消えないということ。
つぎに、飲んだものは、一定距離内にいる者は老若男女構わずフェロモンを撒き散らし、相手を興奮させる効果があること。
つぎ、飲んだものは、どんなに不感症であっても、すぐに淫乱体質になる効果があること。
そして、セックスをした後の一定時間は、その効果が弱まること。
「なんっ、だこれ…」
普通だったら、こんなデタラメ信じずに、すぐにゴミ箱行きだ。
しかし、これはちがう。
身に覚えがありすぎる。
俺は効果が永久的続くということに加わり、どうやら一定時間に一度はあんなセックスしなければならないということにも絶望した。
どうして、俺なんだ。
たしかに、俺の毎日はつまらなかった。
でも、これは何か違うだろう!
俺はその場にうなだれた。というか、崩れ落ちた。
「『生』じゃなくて、『性』だったのかよ……」
羽島とのことも、一瞬で広まるだろう。
あれは教室だったし、鍵がかかっていたとはいえ声や音はだだ漏れだった。
もう消えてなくなってしまいたい、と思いつつ、俺は今日もセックスする事になるんだろう、と心の隅で本能的に思っていた。
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