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今日1日の自分の行動を思い出そうとするが思い出せない。
何故なら、それはあの意味不明な言葉のせいだと確信する。
朝1番に言われた衝撃の単語ー『婚約者』。
その言葉が頭を支配して、どうやってあれから教室に戻っかとか授業がどんなだったかとか全く記憶に無かった。
そして1日の学校生活が終わり、気付けば放課後になっていた。
靴を履き替え校舎を出ると、目の前には黒塗りの高級車が停まっていて、今朝スーツの男が迎えに来ると言っていた言葉を思い出す。
「お疲れ様でした、深月様。」
頭を下げられドアが開かれたけど、どうしていいか分からず立ち尽くす。
余りの現実の無さにもういっぱいいっぱいだった。
動かない俺を不審に思ったスーツの男が声を掛けようと口を開き掛けた瞬間、背後で声がした。
「何してる?早く乗れ。」
聞き覚えのある声に振り返れば、朝の美男子が無表情で立っていた。
「お疲れ様です、琉聖様。」
スーツの男が後ろに立つ美男子・琉聖に向かって頭を深々と下げる。
それには気にも留めず琉聖は俺を真っ直ぐ見た。
その視線が余りにも鋭くて俺は思わず下を向いた。
見詰めてたら視線で殺されてしまいそう。
そんな俺に苛立ったのか琉聖は大股で歩み寄って来ると、俺の腕を掴んで無理矢理車に押し込んだ。
勢いで倒れ込んだ俺を奥へと押しやり自分も車に乗り込む。
スーツの男にドアを閉められて車はゆっくりと走り出した。
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